ExpressVPN(エクスプレスVPN)は業界トップクラスの人気と信頼性を誇るVPNサービス。 最も安全で最速のVPNとして知られていますが、実際の使い心地はどうでしょうか?安いVPNではないものの、割引キャンペーンが頻繁に行われているためオトクに購入できます。似たようなセキュリティ機能がありはるかに安いVPNはほかにもありますが、値段が高くてもExpressVPNのような高性能VPNを購入する必要はあるのでしょうか?
その答えを探るため、Windows、Mac、Linux、Android、iOSのパソコンとモバイルデバイスで徹底検証を行いました 。当社の調査チームと協力してゲームや動画視聴、Torrentを行い、通信速度を測定したのです。また、ExpressVPNのセキュリティ機能、対応機器、独自プロトコル「Lightway」の性能について探りました。さらに、信用できるVPNサービスなのか探るべく、プライバシーポリシー、独立監査、会社沿革についても掘り下げていきます。
結論から言うと、ExpressVPNはほぼすべての観点で最高です。 値段相応の価値があるのは間違いありません。筆者が試したなかで最も速いVPNの1つで、とても使いやすく、パワフルなセキュリティ機能が備わっています。また、安全に動画を視聴するのに適したVPNでもあり、VPNルーターアプリも最高です。返金保証もありますから、ExpressVPNの全機能をリスクなしでお試しできます。満足できなかった場合、30日以内に問い合わせると返金してもらえます 。
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メリット
デメリット
あまりカスタマイズできない。 ExpressVPNのアプリは使いやすさを重視しているため、詳細設定は他社ほど多くありません。アプリの設定と使い方はこちら。
ExpressVPNの機能【2024最新情報】
10.0
💸
価格
6.67 USD/月
📆
返金保証期間
30 日
📝
VPNはログを記録している?
なし
🖥
サーバー数
3000+
💻
ライセンスごとの端末数
8
🛡
キルスイッチ
あり
🗺
本社の所在地
Virgin Islands (British)
📥
トレントに対応
あり
ストリーミング:スムーズに再生され、バッファが発生したり読み込みに時間がかかったりしない10.0
ExpressVPNは動画配信サービスとの相性が良いVPNサービスです。 Netflix、ディズニープラス、Amazonプライムビデオ、BBC iPlayerなどに向いています。検証では、国際チームの協力を得てすべての人気ストリーミングサービスが利用できるか調べました。ExpressVPNは定期的にサーバーを更新しているため、トラブルはほとんど発生しませんでした。
ExpressVPNの公式サイトには現在対応しているストリーミングサービスの一覧が掲載されています。チームと協力して一覧に掲載されているすべてのサービスを試したところ、どれもうまくいきました。ただし、ExpressVPNは一部の地域のNetflixに対応していません。
なお、理論上はExpressVPNを使うと自分の地域で利用できないストリーミングサービスにアクセスできますが、これはストリーミングサービスの利用規約に反する可能性が高く、著作権法違反の恐れもあります。これから検証について詳しく説明しますが、調査スタッフはそれぞれ自国のサーバーにのみ接続しました。その結果、次の動画配信サービスを視聴できました。
Netflix
Hulu
Disney+
BBC iPlayer
(HBO)Max
Crunchyroll
Amazonプライムビデオ
Peacock
ESPN+
Paramount+
Rai Play
Globoplay
DStv
ProSieben
6play
ORF
CBC Gem
Vudu
Pluto TV
Discovery+
Locast
Rakuten Viki
IPTV
AT&T TV
Now TV
ITV
Hotstar
Crackle
Zattoo
Channel 4
Sky TV
beIN Sports
DAZN
fuboTV
Sling TV
Kodi
Showtime
Apple TV
YouTube
Spotify
UKTV
Crave
【プロのアドバイス】 動画配信サービスが利用できない場合、ほかのブラウザをお試しください。数人の調査スタッフはMaxとHuluライブラリを視聴できなかったのですが、ChromeではなくMicrosoft Edgeを使うと数秒で再生されました。また、ブラウザのキャッシュとCookieを削除したり、国内の別のサーバーを試したりするとうまくいくこともあります。
【重要】 当社は著作権法違反に反対しています。ExpressVPNは利用者のオンラインアクティビティを記録しないことを約束しているため、正しくVPNを使うのはご自身の責任です。Webサイトやアプリ、サービスの利用規約を必ず守ってください。
利用可能:アメリカ、イギリス、日本など20か国以上のNetflixライブラリ
国際チームは全員、自国のNetflixを安全に視聴でき、 途切れなく再生されました。検証では、全員が接続を暗号化しつつ、それぞれの地域のNetflixライブラリを見られました。
まず、イギリスの調査スタッフがロンドンサーバーを試したところ、Netflixのアカウントに問題なくログインできました。
彼女がNetflixライブラリを利用した際、読み込みや画質のトラブルはまったくありませんでした
ほかにも20か国のチームメンバーがそれぞれのアカウントでNetflixを見られました。 大きな国では、国の反対側のサーバーを使うと動画の読み込みに少し時間がかかりましたが、最大5秒で動画が再生されたのでかなり高速です。
イギリスとアメリカのほかにも、下記の国ではExpressVPNを使ってNetflixを視聴できました。
イギリス
カナダ
アメリカ
オーストラリア
フランス
チリ
日本
ドイツ
イタリア
ブラジル
スウェーデン
ニュージーランド
香港
オランダ
スイス
コロンビア
マレーシア
ルーマニア
スペイン
ギリシャ
残念ながら、お住まいの国に仮想サーバーしか設置されていない場合、ExpressVPNを使ってもNetflixオリジナルしか視聴できないかもしれません。 オリジナル作品はNetflixが所有する映画とドラマです。地域限定コンテンツは見られないわけです。ExpressVPNはアルゼンチン、台湾、エジプト、パキスタンなど一部の国では仮想ロケーションしか提供していません。
利用可能:ディズニープラス
ディズニープラスが利用可能な国のスタッフが試したところ、ディズニープラスで『終わってない! 40代わたしのリスタート』などのドラマをバッファなしで見られました 。
アメリカのスタッフは、遠くの州のサーバーでも画質は低下しなかったと言います
アメリカ、オーストラリア、カナダ、イタリア、イギリスの調査メンバーは、ディズニープラスをバッファなしで視聴できました。ただ、オーストラリアのメンバーは動画の読み込みが約3秒遅くなったそうです。
利用可能:Amazonプライムビデオ
Amazonプライムビデオを視聴しようとした際、1人の調査スタッフは小さな問題に直面しましたが、全体的にうまくいきました。イギリス、アメリカ、カナダのメンバーはプライムビデオを見られました。
どの動画もHD画質ですぐに再生され、バッファは発生しませんでした
アメリカの調査メンバーがアメリカサーバーを使った際、1つ問題が発生しました。1台目のサーバーではアマプラを視聴できず、基本的なトラブルシューティングを行っても解消されなかったため(サーバー、ブラウザ、プロトコルを切り替えるなど)、サポートに問い合わせました。
ExpressVPNのサポートによると、アメリカでVPNに接続する際はアプリではなくブラウザを使ったほうがうまくいく可能性が高いそうです。アメリカの同僚がこの解決方法を試したところ、確かに視聴できるようになり、それ以外の問題は発生しませんでした。
利用可能:Hulu
Huluは主にアメリカで利用可能なサービスで、アメリカの同僚はExpressVPNのアメリカサーバーに接続した状態でHuluのドラマや映画をHD画質で視聴でき、すぐに再生された そうです。
再生ボタンを押すとドラマは3秒後にHD画質で再生されました
同僚はExpressVPNの7か所のアメリカサーバーでHuluを見られました。
利用可能:Max
アメリカのチームメンバーはMax(旧HBO Max)も問題なく見られました。 ドラマ『メディア王 〜華麗なる一族〜』を快適に視聴できたのです。
検証で動画の読み込みに時間がかかったり画質が悪くなったりすることは一切ありませんでした
Maxもうまくいきました。メンバーたちは皆、すぐにHD画質で動画を見ることができ、バッファはまったく発生しませんでした。
利用可能:BBC iPlayer、Kodi、ソーシャルメディアサイト、DAZN Japan、Abema TV、ほか多数
BBC iPlayer、Peacock、Crunchyroll、ESPN+、DAZN Japan、TVer、GYAO!、Abema TVなど、ExpressVPNでほかにも多数のプラットフォームを試したところ、すべてうまくいきました。 チームメンバーたちはKodiでパブリックドメインの映画『蜂女の実験室』を視聴することもできました。
英国の同僚がBBC iPlayerでExpressVPNを試したところ、5か所すべてのイギリスサーバーで動画がシームレスに再生されました。アメリカのメンバーはPeacockで動画を読み込むのに約10秒かかったそうです。最初は画質が悪かったものの、2秒後にHD画質に切り替わったとのことでした。アメリカのチームがESPN+も試した結果、アメフトのライブ試合はただちに再生され、エラーは発生しませんでした。ExpressVPNのアメリカサーバーでCrunchyrollも快適に視聴できたそうです。
まとめると、ExpressVPNは動画の視聴にぴったりのVPNです。 幅広いソーシャルメディアのサイトやアプリにも対応しています。動画配信サービスの検証と同様、国際チームにさまざまなアプリを試してもらいました。これにはFacebookやインスタグラム、Google(およびGメールなどのGoogleサービス)、ツイッター、YouTube、WhatsApp、Snapchat、Tinderなどが含まれます。
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通信速度:サーバーとの距離によらず超高速10.0
ExpressVPNは当社がこれまで検証したなかで最速のVPNです。 近くのサーバーでも遠くのサーバーでも、ExpressVPNは一貫して高速 だったので感心しました。結果分析では次の3項目に注目します。
Ping 。データが移動するのにかかる時間のことで、ゲームをプレイする際に重要な数値です。Pingが低いほど入力操作がゲームサーバーに到達する時間が短いことになります。単位はミリ秒(ms)です。
ダウンロード速度 。データを受信する速度です。動画の再生、Webページの読み込み、ファイルのダウンロードなど行う際にパソコンのパフォーマンスに影響します。単位はメガビット毎秒(Mb/秒、Mbps)です。
アップロード速度 。データを送信する速度です。動画のアップロード、SNSへの投稿、ファイルの共有を行うスピードに直結します。ダウンロード速度と同様、単位はMbpsです。
当社ではVPNスピードテスト担当者が毎週イギリスの同じ都市からExpressVPNのスピードテストを実施しています。下のグラフは各サーバーの通信速度を10回測定し、平均速度を算出した結果です。スピードテストでは最速のLightway UDPプロトコルを使っています。
英国内のサーバーでは5%、遠くのサーバーでは25%の速度低下となりました
ExpressVPNは非常に高速で、どのロケーションでも通信速度は75Mbps以上でした。 速度が38%以上低下することは一度もなかったのです。参考までに、最高峰のVPNでさえ、これ以上遅くなるのは珍しくありません。例えば、CyberGhostやPrivate Internet Accessなどの高速VPNでも、近くのサーバーでは30%、遠くのサーバーでは85%以上低下することがあります。
回線混雑を抑えるため、ExpressVPNは2022年6月にサーバーのアップグレードを開始しました。 複数の人気サーバーの帯域幅が1Gbpsから10Gbpsに拡大されたのです。これまでにアメリカとイギリスの全拠点を含む20か所以上のサーバーが更新されています。
現在、ExpressVPNのスピードテストツールはmacOSアプリでしか使えません。 以前はWindowsアプリでも使えたので、残念ですね。各サーバーのPing値(レイテンシと表記されます)、下り速度、上り速度が表示され、ニーズに最適なサーバーを選ぶのに役立ちます。
ローカルサーバーの速度
ExpressVPNのローカルサーバーは、当社がこれまで検証したVPNのなかで最速でした 。7%以上の速度低下はなかったのです。まず、結果を比較できるように、スピードテスト担当者はVPN接続なしでの通信速度を測定しました。
VPNなし(イギリス、ロンドン)
Ping(ms)
6
ダウンロード速度(Mbps)
121.26
アップロード速度(Mbps)
17.03
スピードテストはWindows 11のノートパソコンを使って実施しています。
最初の検証では、「スマートロケーション」機能を使いました。レイテンシ、速度、距離をもとに最適なサーバーを自動的に選ぶ機能です。英国ロンドンのサーバーに接続され、通信速度はほとんど低下しませんでした。
イギリス(ロンドン)
Ping(ms)
8
ダウンロード速度(Mbps)
115.78(5%低下)
アップロード速度(Mbps)
16.37(7%低下)
もう少し遠いフランス(パリ)のサーバーでも似たような結果となりました。
Ping(ms)
22
ダウンロード速度(Mbps)
113.43(6%低下)
アップロード速度(Mbps)
16.27(7%低下)
ドイツとウクライナでも目立った速度低下はありませんでした。ウクライナサーバーはイギリス(スピードテスト担当者の現在地)から2,500キロ以上離れていますが、通信速度が5%しか低下しなかったのは感心に値します。
担当者がローカルサーバーを試した結果、通信速度が7%以上低下することはありませんでした
英国在住の別のメンバーが同じサーバーを試したところ、どのヨーロッパサーバーを使ってもブラウジングや動画再生中、速度の違いは感じられなかったそうです。彼はいつもUltra HD画質で動画を視聴できました(25Mbps以上ならUHD画質で再生できます)。
長距離サーバーの速度
遠くのサーバーでは速度が低下しましたが、それでもかなり高速です。 一番遅くなったのは「東京 2」というサーバーに接続したときで、通信速度は38%落ちました。とは言え、テスト担当者の現在地から9,294キロも離れたサーバーであることを考えると、すばらしい結果と言えます。筆者がほかのVPNを試した際、同じくらい遠くのサーバーでは90%も遅くなったことがあるのです。
アメリカ東・西海岸のサーバーでは次のような結果となりました。
アメリカ、ニューヨーク
Ping(ms)
94
ダウンロード速度(Mbps)
95.21(21%低下)
アップロード速度(Mbps)
16.21(6%低下)
アメリカ、ロサンゼルス
Ping(ms)
160
ダウンロード速度(Mbps)
84.96(30%低下)
アップロード速度(Mbps)
14.54(25%低下)
最後に、オーストラリア、インド、ブラジル、日本のかなり遠いサーバーを検証します。
遠くのサーバーでも速度が38%以上低下することはありませんでした
筆者の調べで、遠くのサーバーでもデータ使用量の多いアクティビティを行うのに十分なスピードでした 。まとめると、ExpressVPNは遠くのサーバーでも満足できるスピードで、どこでも高速なサーバーに接続できます。
プロトコルのスピードテスト
当社の検証ではLightway UDPプロトコルが最速でした が、IKEv2と大差ありません。ローカルサーバー(緑)と長距離サーバー(黄色)の両方ですべてのプロトコルの通信速度を測定しました。
プロトコルを切り替えても通信速度が低下する心配はありません
OpenVPNが一番遅かったものの、通信速度が70Mbpsを下回ることはありませんでした。
ゲーム:近距離サーバーではラグなしでシームレスにプレイできる9.5
近距離サーバーを使えば、ExpressVPNはゲームにピッタリのVPNと言えます。 ただ、遠くのサーバーではPingが高すぎてマッチに参加できませんでした。とは言え、他社のVPNも遠くのサーバーでゲームができたためしがないので、予想通りの結果です。
激しいオンラインゲームでは応答の速さが勝敗の決め手になります。そのため、Ping値は85ms以下であるべきです。応答が遅すぎるとゲームを楽しめませんね。特に、機敏に反応しなければならないゲームでは一瞬でもラグが生じると不利になってしまいます。
イギリスの調査メンバーがペースの速いFPSゲーム「Team Fortress 2」で検証を行いました。 まず、ロンドンサーバーから始めたところPingは8msとかなり低く、すぐにマッチングされました。 ゲーム中、VPNを使っていることを忘れるほどだったそうです。
ラグなしで走ったり、ジャンプしたり、よけたり、撃ったりできました
しかし、遠くのサーバーでFPSをプレイするのは不可能です。調査メンバーは6,349キロ離れたシカゴサーバーが最速だったため、そのサーバーでゲーム中のパフォーマンスを測定しました。ダウンロード速度が速かったものの、Pingは110msとなり、ロンドンサーバーの13倍以上になってしまいました。5分待ってもゲームを読み込めなかったため、一旦終了して再接続することにしたものの、それでも状況は改善されず、結局プレイできるか確認できなかったそうです。
残念ながら、彼女がニューヨークサーバーを試したときも同じ問題が発生しました。サーバーとの距離は5,567キロでしたが、数回試してもゲームに参加できなかったのです。そのため、ExpressVPNがゲームにおすすめなのは、近くにサーバーがある場合のみ と言えます。
サーバーネットワーク:世界中に多数のサーバーが分散されている9.6
ExpressVPNのネットワークは大規模で、日本を含む105か国に3,000台のサーバーが分散されています。 広範囲をカバーしているため、安定した高速サーバーと接続しやすいのが特徴です。
しかし、混雑したサーバーや遠くのサーバーを使うと通信速度が低下する可能性があることに注意しましょう。サーバー台数がExpressVPNよりはるかにVPNプロバイダもありますが(Private Internet Accessは29,650台)、ExpressVPNも多数のサーバーがあるため、速い近距離サーバーがほぼ確実に見つかります 。
サーバー台数が最多なのはアメリカとヨーロッパで、最も少ないのはアフリカです
ExpressVPNは、同じ国の数か所にサーバーを設置しています。 例えば、オーストラリアは東西両海岸にサーバーがあります。また、香港やベネズエラ、トルコなどにサーバーがあるVPNは少ないですが、ExpressVPNなら利用可能です。ただし、これらのサーバーはバーチャルロケーションなので通信速度が遅くなる可能性があることに注意しましょう。
最速の通信速度を得られるよう、都市レベルでサーバーを選べるのもポイントです。 サーバーがどの都市に設置されているか表示されるため、一番近いものを見極められます。
ExpressVPNで自分専用の固定IPアドレスを取得することはできません。 他社の場合、専用IPアドレスを購入できるVPNもあります。安全性の面では劣りますが、Webサイトの管理人にとって役立ちます。ExpressVPNのIPアドレスはほかのユーザーと共用なので、特定のユーザーの個人情報とアクティビティを追跡するのは非常に困難です。サインインするたびに、別のIPアドレスが割り当てられる仕組みになっています。
なお、IPアドレスはExpressVPNが所有しているものの、同社は第三者のデータセンターと提携しています。しかし、データセンター側の役割はサーバーメンテナンスを行うことであり、サーバー上の情報にアクセスすることはできません。ExpressVPNに問い合わせたところ、提携企業もサーバーが送受信するデータを見られるそうですが、オンラインアクティビティを個々のユーザーに紐づけるために必要な認証情報はありません。
スマートロケーション
スマートロケーションは便利ですが、イギリスの調査スタッフはもっと高速なサーバーを自分で見つけることができました。
スマートロケーションの隣の3点アイコンをクリックすると、サーバー一覧が表示されます
例えば、彼女がスマートロケーションを使ったときはミッドランズサーバーに繋がったのですが、東ロンドンを試したところミッドランズより5Mbps速いことが分かりました。
TrustedServer技術
セキュリティとプライバシーを向上するため、ExpressVPNはRAMのみのディスクレスサーバーを採用しています。 TrustedServerテクノロジーと呼ばれています。RAMにデータを保存することは不可能なので、再起動のたびにセッションデータが完全に消去されるわけです。電源を入れると、ハードドライブに保存されているセキュアな読み取り専用イメージからOSを含むすべてのデータを読み込むことになります。安全が強化される理由は次のとおりです。
ハードドライブにユーザーデータが一切保存されない。
データの保存期間が短い。
サーバーが再起動されるたびにソフトウェアが再インストールされ、最新のセキュリティパッチが適用される。
全サーバーで同じソフトウェアが実行される(ほかのVPNサービスでは、サーバーによってソフトウェアが異なることがあります。脆弱なサーバーが存在する可能性があるわけです)。
大半のVPNはハードドライブに情報を保存します。手動で削除するまでハードドライブにデータが残るため、あまり安全とは言えません。ExpressVPNのサーバーは1~2週間ごとに再起動されます。 機密情報はサーバーに保存されないので再起動の頻度によらず安全ですが、定期的に再起動して最新技術に更新しているのはすばらしいでしょう。
ExpressVPNは、サーバーの脆弱性を発見した人に100,000ドル(およそ1,514万円)の報奨金を与えるバグバウンティ制度を実施しています。 このプログラムはBugcrowdというサイトを通して行われていますが、同サイトを利用しているほかの企業と比べてもExpressVPNの報奨金はかなり高額です。ExpressVPNは、部外者がサーバーに不正侵入したり脆弱性を発見したりすることはないと考えているのでしょう。高額な報奨金を提供しているのはサーバーのセキュリティに対する自信の表れです 。
難読化サーバー
ExpressVPNのサーバーはすべて自動的に難読化を行います。 他社の場合、VPNがブロックされているネットワークでは別のサーバーを使わなければならない、あるいは特別なプロトコルに切り替えなければならないことがあります。一方、ExpressVPNならどのサーバーを選んでも難読化によってVPN利用が隠されます。職場や大学でもExpressVPNに接続できる可能性が高い わけです。
ExpressVPNは仮想ロケーションを使用していますか?はい
ExpressVPNのサーバーのうち、仮想サーバーロケーションは5%未満となっています。物理サーバーはほかの国に位置しているということです。 仮想サーバーロケーションを選ぶと、その国のIPアドレスが割り当てられますが、実際のサーバーはほかの国にあります。
物理サーバーがどこにあるのか確認できるので、速度を予想できます
ExpressVPNの仮想サーバーを使うと、ネット規制が厳しい国のIPアドレスを取得できます。 VPNが禁止または規制されている国では安全な場所にデータセンターを置くのは困難です。また、ExpressVPNはサウジアラビアや中国、ロシアなどに物理サーバーを設置していないため、これらの国の法律は適用されません。
例えば、ExpressVPNは2022年にインドの物理サーバーを撤去しました。インド政府は、電話番号や住所など、顧客の個人情報を記録することをVPN企業に義務付ける新たな法律を可決したからです。この法律に従う必要がないようにExpressVPNは物理サーバーを撤去したわけです。なお、インドの仮想ロケーションは現在も利用可能です。
仮想サーバーのほうが速度と安定性も優れていることがあります。 国によっては通信速度が遅くてインターネット接続が不安定なこともありますから、インフラが整備されている国にサーバーを置くことでVPNのパフォーマンスを改善しているのです。
デメリットについて、近い仮想ロケーションを選んでも物理サーバーが遠い場合は通信速度が低下することがあります。まとめると、ExpressVPNは仮想サーバーを提供することでほかの一流VPNより広範囲をカバーしています。 例えば、NordVPNは105か国にしかサーバーがありません。
セキュリティ:安全機能の設定を柔軟にカスタマイズできる10.0
ExpressVPNは幅広いセキュリティ機能と軍レベルの暗号化でデータの安全を確保します。 ここでは、ExpressVPNのキルスイッチ、スプリットトンネリング、Torとの互換性を徹底的に検証していきます。また、プロトコルを比較し、ExpressVPNの独自技術「Lightway」 について深掘りしました。最後に、インフラと業務慣行に関する外部監査の結果を調べました。
暗号化:軍レベルの保護
ExpressVPNの暗号化技術はプライベートデータをしっかり守ります。 AES 256ビットサイファーと4096ビットRSA鍵およびSHA-512 HMAC認証を組み合わせた「256ビットAES暗号化」でデータが保護されるため、部外者が解読するのは事実上不可能です。軍隊や金融機関、政府組織などが使用しているのと同じ暗号水準なのです。
鍵の組み合わせの数はビット数によって決まります。例えば、1ビットでは2通り(2の1乗)、8ビットでは256通り(2の8乗)の組み合わせがあります。256ビットの場合、組み合わせの数は78桁という莫大な数になるため、小さなデータでさえ解読するのは非常に困難です 。世界一パワフルなコンピュータを使っても解読するのに数十億年かかります。
P2Pファイル共有などでデータを転送する際、ExpressVPNは高いセキュリティを確保するためにSHA-512 HMAC認証を採用しています。この認証では、送信者と受信者の両方が共有の秘密鍵を使ってファイルが改ざんされていないか確認することになります。秘密鍵が少しでも変更されるとデータが改ざんされたことを意味しますから、直ちにデータへの不正アクセスを発見して対処できます。
また、ExpressVPNはパーフェクトフォワードシークレシー(前方秘匿性)を実装しています。ログオンセッションごとに暗号鍵を変更する機能 のことで、現在の暗号鍵を他人に知られても過去と未来のVPNセッションの暗号鍵は異なるのでアクセスされません。
セキュリティプロトコル:すべてのデバイスで複数のプロトコルが使える
ExpressVPNは複数のセキュリティプロトコルを提供しており、状況に応じてVPNをカスタマイズできます。 プロトコルは、VPNがデータをどのように暗号化するか定める規約のことです。Windows、Mac、Android、iOSのアプリでは「プロトコル」タブから切り替えることができ、Linuxではターミナルにコマンドを入力するとプロトコルを変更できます。
Lightwayの詳細設定で暗号化サイファーを変更できます
プロトコルの違いを説明します。
Lightway: ExpressVPNが開発したプロトコルで、ほかのVPNでは使えません。バッテリーをあまり消費せず、ネットワークの切り替えをシームレスに行うのでスマホに適しています。UDPとTCPの2種類があり、検証ではUDPのほうが速かったものの、TCPよりエラーが発生しやすいです。
OpenVPN: 最もセキュアなプロトコルの1つです。オープンソースなので、世界中の人々が継続的にコードを検証し、安全性を向上しています。このプロトコルもUDPとTCPから選べます。
IKEv2: OpenVPNより速いとされていますが、当社の検証では1%しか違いませんでした。安全性が比較的低いため、筆者はほかのプロトコルでうまくいかないときだけ使っています。TCPオプションはありませんから、一部のファイアウォールではブロックされます。
利用可能なプロトコルはデバイスによって異なります。また、プロトコルを「自動」に設定にすると、現在の接続をもとに最適なプロトコルを選んでくれます。
まとめると、スピードとセキュリティを両立した「Lightway UDP」がおすすめです 。
Lightway
Lightway(ライトウェイ)はExpressVPN独自のプロトコルで、非常に軽量で高速であるなどさまざまなメリットがあります (当社の検証ではOpenVPNより12%高速でした)。スマホなどではChaCha20暗号化に切り替えるとスピードがさらに向上します。Lightwayはモダンな暗号ライブラリ「wolfSSL」を採用しています。これは軍レベルの256ビット暗号化で知られており、サードパーティによって徹底的に検証されています。
Lightwayはネットワークの切り替えも高速です。圏外になった場合はVPN接続を停止するのではなくアイドル状態にするため、Wi-Fiとモバイルネットワークの切り替えが完了するとすばやく再接続されます。また、Lightwayは大抵、1秒以下で接続を確立します。Lightwayのコードは約2,000行でVPNプロトコルとしてはかなり少ないほうです。安全を確認しやすく、バッテリーが長持ちするという特徴があります。
ExpressVPNはLightwayをDTLS 1.3に更新し、これによりいくつかの観点で改善されました。 DTLS(データトランスポート層セキュリティ)バージョン1.3を活用した初のVPNです。このアップグレードにより、プロトコルのセキュリティが向上し、ゲームなどのアクティビティで重要なレイテンシが改善され、データ消費量も減りました。
Lightwayでポスト量子暗号による保護も受けられるようになりました。 パソコンでスタンダードな暗号化を解読するのは非現実的ですが、量子技術を持つサイバー犯罪者は数日で解読できてしまいます。そのため、ポスト量子暗号に対抗できるようにExpressVPNが独自プロトコルを更新したのはすばらしいことなのです。このようなサイバー攻撃が今後増えてきても安全を確保できます。
ExpressVPNはWireGuardプロトコルには対応していませんが、LightwayはWireGuardと同じくらいスピーディーで安全です。Lightwayプロトコルを提供しているExpressVPNは、モバイルデバイスにおすすめのVPNの1つと言えます。 このプロトコルはCure53社の独立監査を受けており、コアライブラリはオープンソースとなっています(GitHubで公開されています)。
データ漏えいテストの結果:合格
ExpressVPNのWindows、Mac、Android、iPhoneアプリを使ってデータ漏えいテストを実施したところ、すべて合格しました。 調査チームはまず、ipleak.netを利用して10台のサーバーを試しました。
調査メンバーはイギリスにいるのですが、VPNサーバーの位置情報(モントリオール)しか検出されませんでした
上の画像をご覧ください。アプリで接続したモントリオールのIPアドレスとDNSサーバーしか表示されていないことが分かります。IPv4、IPv6、WebRTC、DNSが漏えいすると他人はデータにアクセスできてしまいます。VPNがほかの方法で安全を確保したとしても、このような漏えいが発生する可能性はゼロではありません。ExpressVPNは漏えい対策機能が搭載されていますから、あの手この手でデータにアクセスしようとするハッカーから身を守ることができます。
全サーバーでプライベートDNSを実装
ExpressVPNが漏えいテストに合格した理由の1つは、全サーバーでプライベートDNSを実装しているからです。 サイト間を移動するにはドメインネームサーバーというネットワークにアクセスしなければなりませんが、プライベートDNSサーバーを使用することでこの仲介ネットワークを通る必要がなくなり、情報が流出する可能性のある部分を1つ減らしているのです。
自分のDNSを使うこともできますが、ExpressVPN独自のプライベートDNSサーバーを使ったほうがよいでしょう。
独立監査済み
信頼できるセキュリティ企業数社が独立監査を行い、ExpressVPNは主張通り安全であることが証明されました 。重大な問題は1つも報告されず、深刻度の低い脆弱性はすべてただちに修正されました。
筆者が検証したVPNのうち、ExpressVPNは最も頻繁に監査を受けており、監査を行った組織も最多です。世界レベルのエキスパートが常に改善に取り組んでおり、数社による監査でプライバシーポリシーを守っていることが証明されている のは本当にすばらしいと思います。
Cure53
この企業は、ExpressVPNのLightwayプロトコル(2021年)、TrustedServerテクノロジー(2022年)、ChromeとFirefoxの拡張機能(2018年)を監査しました。 ブラウザ拡張機能はオープンソースなので専門知識があればだれでも似たような検証を行えます。最後に行われたのは、2022年に実施されたLinuxとmacOSアプリの監査です。
PricewaterhouseCoopers(PwC)
PwCは業界を代表する監査法人の1つです。1か月にわたって社員面談とコードの検証を行い、ExpressVPNのプライバシーポリシーとTrustedServerテクノロジーを審査 しました(2019年)。
KPMG
KPMGは、保険から政府機関までさまざまな業界の大企業の監査を行っています。 KPMGも、2022年にExpressVPNのTrustedServerテクノロジーとプライバシーポリシーを監査しました。
F-secure
世界有数の金融機関のセキュリティ検証チームです。 2022年にExpressVPNのWindowsアプリ(バージョン12)を確認した結果、脆弱性は発見されませんでした。
ioXt Alliance
ExpressVPNのAndroidアプリはioXt Allianceに認定されています。 Androidアプリのデザインと仕組みが安全で信頼できるものであることを確認するため、2021年に低レベルの脆弱性がないか確認されました。例えば、ネットワークセキュリティ、暗号鍵の保存先、ソフトウェアのデザインとアップデートなどの安全性が検証されました。
キルスイッチ
VPN接続が切れた場合、ExpressVPNのキルスイッチがネット通信をブロックして安全な状態を維持します。 VPNに必須の機能であり、ExpressVPNのキルスイッチは「Network Lock」と呼ばれています。
iOSアプリとAndroidアプリでは、設定に「ネットワーク保護」と表記されています
ExpressVPNとの接続が完了するまで、通信がブロックされていることを知らせてくれます
Windows、Linux、MacではExpressVPNのキルスイッチは自動的に有効 になります。また、ローカルネットワーク上のデバイスへのアクセスを許可することも可能です。プリンターがWi-Fiに接続されている場合、この設定を有効にしておけばサーバーで問題が発生してもドキュメントを印刷できます。パソコン、Android、iOSアプリではキルスイッチのオン・オフを簡単に切り替えられますが、ルーターアプリでは不可能です。Android・iOSアプリのキルスイッチは「ネットワーク保護」と呼ばれています 。手動で有効にする必要がありますが、Androidの設定で「VPNに常時接続する」を選ぶだけなので簡単です。
スプリットトンネリング
スプリットトンネリング機能を活用すると、一部の通信をVPNトンネルから除外できます。 ローカル接続でネット銀行などを利用しながら、海外サーバーに接続したいというときに便利です。また、印刷のためにも利用でき、ファイルをダウンロードするときに帯域幅を節約できます(トレントアプリの通信だけ暗号化するため)。
「除外するアプリ」にアプリを追加・削除するのは簡単です が、一時的にVPN接続を切らなければなりません。
アプリやサイトを追加・削除するにはVPN接続を切断する必要があります
この機能を試すため、銀行アプリをVPNトンネルから除外することにしました。日本サーバーに接続しても日本の銀行アプリを問題なく使えた ので大成功です!
この機能はLinux、Windows、Android、ルーターアプリで利用可能です。残念ながら、iOSアプリとmacOS 11以降のデバイスでスプリットトンネリングは使えません 。
ExpressVPNはWindowsアプリから一時的にスプリットトンネリング機能を削除したことがあります。ある大手IT系メディアのレビュワーがこの機能を使ったとき、DNSリクエストに問題があることを発見したからです。ExpressVPNがこの報告を真摯に受け止めたのは感心しました。スプリットトンネリングが使えなかった期間は1週間程度です。ExpressVPNのエンジニアが問題を再現して完全に修正したため、現在は使えるようになっています。
Torに対応
TorオーバーVPN接続を使うと、ExpressVPNとTor(The Onion Router、トーア)を併用できます。 Torとは、ネットワーク内のすべてのデータを暗号化して匿名化する特殊なブラウザのこと。ダークウェブにアクセスする主な手段の1つであることから、「違法行為が横行するダークネットサイトを閲覧するために使われている」という悪評があります。しかし、Torを使うとどこからでも重要な情報を匿名で共有できるため、活動家や内部告発者にとって欠かせないツールなのです。
ExpressVPNとTorを併用するには、最初にExpressVPNに接続する必要があります。こうすることで、ネットワークがTorをブロックしていてもアクセスできるようになります。Torを利用していることを問題視される心配はなく、ブラウザのバグから身を守ることもできます。
Torでは高度な暗号化が行われるため、従来的なブラウザより動作が遅めです。「ロサンゼルス 1」サーバーに接続した状態ではTorブラウザを読み込むのに4秒かかりました。VPNに接続していないときとほぼ同じで、Torを利用してもVPNのせいで通信速度がさらに遅くなることはありませんでした 。
高度な保護
ExpressVPNは一歩先のセキュリティを提供するため、Threat Manager、広告ブロッカー、ペアレンタルコントロールを含む「高度な保護」という機能を提供しています。
Threat Manager
Threat Managerは、サイトやアプリが第三者とやり取りするのを防ぎ、アクティビティの追跡や迷惑行為からユーザーを守る機能です。 Webサイトやアプリをブラウジングした後で大量のターゲティング広告が表示されるのは非常に迷惑ですが、ExpressVPNならそのような心配はありません。
現在、Threat ManagerはWindows、Mac、Android、iOS、LinuxなどExpressVPNの全アプリで利用可能です。また、Aircoveルーターにも搭載されています。
広告ブロッカー
ExpressVPNには広告ブロッカー機能も含まれます。 筆者の検証では72%の広告がブロックされ、高パフォーマンスであることが分かりました。完璧ではないものの、ほかの広告ブロッカーよりは優れています(広告をすべて消せるブロッカーは見つかっていません)。
この機能は現在Windows、Android、macOS、iOSアプリで利用可能で、Linuxアプリでは準備中です。
ペアレンタルコントロール
ExpressVPNは成人向けサイトブロッカーなどのユニークなペアレンタルコントロール機能も提供しています。 あらゆるデバイスで不適切なコンテンツへのアクセスを制限でき、子どものデバイスで役立ちます。広告ブロッカーと同様、この機能は現在Windows、Android、macOS、iOSアプリでしか利用できません。Linux版は準備中です。
自動更新
ExpressVPNのデスクトップアプリには自動更新機能が備わっており 、機能やセキュリティの改善について最新情報を得られます。アプリが自動的に更新されるため、手動でアップデートする手間を省けます。
この機能は中国やアラブ首長国連邦などインターネット規制が行われている地域で特に便利です。これらの地域でExpressVPNのサイトにアクセスするのは困難ですが、自動更新を有効にしておけばサイトからアプリを手動でアップデートする必要はありません。
プライバシー:データを一切保存せず、信用できる10.0
ExpressVPNはノーログポリシーを掲げており、本拠地は14アイズ同盟の管轄外です。Kape Technologies傘下の企業 で、同社はExpressVPNのほかにも多数のVPNを所有しています(CyberGhostやPrivate Internet Accessなど)。
ExpressVPNはログを保持しますか?いいえ
ExpressVPNは厳格なノーログポリシーがありますから、個人情報を保存、共有、売却することは絶対にありません。
保存されるのはメールアドレスと支払情報、パフォーマンス改善のための匿名化されたデータのみです
ExpressVPNは、下記の情報のみを収集するとしています。
加入時に入力した情報(支払情報とメールアドレス)
有効化したアプリの数とそのバージョン情報
接続を確立した日(時刻は収集されません)
接続したサーバーロケーション(割り当てられたIPアドレスは収集されません)
1日に転送したデータの合計
収集する情報がExpressVPNほど少ないVPNはありません。サービスを提供し、ユーザーと連絡を取るために必要最低限の情報だけを収集しているのです。「VPNを利用した」という記録しか残りません。
プライバシー保護をさらに強化したい場合、仮想通貨で支払い、新しいメールアドレスでアカウント登録すると良いでしょう。 ライブチャットでExpressVPNのカスタマーサポートに問い合わせ、ユーザーデータ、支払情報、メールアドレスを削除してもらえるか質問したところ、解約後に削除できることが分かりました。
データを削除できるのは解約後だそうです
ExpressVPNは以下の情報を収集しません。
実際のIPアドレス、使用したVPNのIPアドレス
閲覧履歴に関するデータ(どのサイトにアクセスしたか)
メタデータ
DNSクエリ(どのサイトにアクセスしようとしたか)
つまり、どこでExpressVPNを使ったのか、接続中に何をしたのかという記録は一切残らない ということです。
任意で診断情報をExpressVPNと共有することもできますが、共有したくない場合は「ExpressVPNの改善に協力(Help Improve ExpressVPN)」という画面で「いいえ(No Thanks)」をクリックしましょう。
診断情報を共有する場合、送信されるのは匿名化されたデータのみであり、個人を特定することはできません
ExpressVPNは2024年から半期透明性レポートの発行を開始しました。 法務部がユーザーデータを要請された際にその旨を開示するためです。個人を特定できる情報は保存しませんから、要請されても引き渡せるデータはありません。プライバシー保護の取り組みについてオープンな姿勢である一例です。
2017年にログを保持しないというExpressVPNの方針が試されたことがあります。暗殺事件の捜査でトルコ政府がExpressVPNのサーバーを1台押収したのですが、サーバーにデータは保存されておらず、ノーログポリシーを守っていることが証明されました。
ExpressVPN International Limited(アプリの親会社)は、ExpressVPNを唯一の収入源としています。また、同社はCenter for Democracy and Technologyと協力し、世界中でプライバシー権の推進に貢献しています。このような取り組みと確かな実績から、ExpressVPNはネット上で匿名性を守ることに全力を尽くしている ことがうかがえます。
プライバシーを重視した英国領ヴァージン諸島の企業
ExpressVPNの本拠地はデータ保持法のない英国領ヴァージン諸島です。 VPN企業は本社所在国の法令に従う義務があるため、どこに本社を置いているかというのは非常に重要です。プライバシー保護法が厳しいだけでなく、英国領ヴァージン諸島は検察官が令状を取るのが非常に難しい国です。大衆監視は行われておらず、14アイズ同盟 (SIGINT Seniors Europe)に加盟していません(※ 14アイズ同盟:加盟国間で国民に関するデータを共有する協定)。
英国領ヴァージン諸島(BVI)はイギリスの海外領土ですが、自治権を持っています。イギリスは14アイズ同盟に加盟していますが、ほかの国がBVIの高裁にデータを要請してもBVI政府に国民や企業に関する情報を開示するよう強いることはできません 。
仮に他国がBVIに圧力をかけたとしても、ExpressVPNはそもそも顧客データを一切保持していません 。とは言え、プライバシーを重視している国に本拠を置くことでデータの安全性を向上しているのはありがたいですね。
ExpressVPNは中国で使えますか?はい
ExpressVPNは中国で使えますが、入国前にダウンロードするのがベストです。 現在、中国で合法なのは政府が認可したVPNのみであり、政府は非認可VPNをブロックすることに力を入れています。中国政府がVPNを使っている個人を探し出そうとすることはほとんどないものの、中国におけるVPN利用について詳しく調べ、リスクについて理解することをおすすめします。
中国では、インターネット利用が政府によって厳しく規制されています。このネット検閲は「中国のグレートファイアウォール(金盾)」と呼ばれています。中国政府がVPNの取り締まりを開始して数年が経っていますが、ExpressVPNは現在も中国で使えます。中国で利用可能なVPNは少ないので、素晴らしいですね。
ExpressVPNは香港にもサーバーがあります。 Pingは高かったものの(229ms)、イギリスのスタッフが「香港2」のサーバーに繋いだところ、通信速度は14%しか低下しませんでした。理論上はこのサーバーを使うと国外から中国の動画配信サービスにアクセスできますが、この行為は動画配信サービスの利用規約と著作権法に反する可能性が高いのでおすすめしません。
逆も然りで、仮に中国から国外サーバーに接続すると検閲されているサイトにアクセスできますが、当社は規約違反や著作権侵害を一切容認しません。
ExpressVPNは難読化技術を導入しており、中国で使えることが保証されているサーバーの一覧も公開しています。しかし、法律や規制は頻繁に変わりますから、念のためご自身でよく調べることをおすすめします。
プロトコルを「自動」に設定し、中国向けサーバーに接続する必要があります
サポートチームによると、トルコやサウジアラビア、アラブ首長国連邦などの検閲国家でも使える そうです。中国の利用者のために、トラブルシューティングに関するアドバイスと中国でおすすめのサーバーを掲載した特設ページが公開されています。中国で使えるサーバーは頻繁に変わるため、接続するたびにこちらの一覧 をチェックしましょう。
トレント:全サーバーがP2Pに対応しており、高速でダウンロードできる10.0
ExpressVPNは全サーバーでP2Pファイル共有を許可しており、データ使用量は無制限なので、Torrentにピッタリです。
ほかのVPNでは一部のサーバーしかP2Pファイル共有に使えないことが多いですが、ExpressVPNなら一番近いサーバーに接続して最速でダウンロードできます。qBitTorrent、Transmission、Vuze、Deluge、uTorrentなど、主要なP2Pアプリが使えます。Kodiにも対応しているのでP2P型ストリーミングサイトにアクセスできます。
Torrent利用時のExpressVPNのパフォーマンスを調べるため、uTorrentを使ってパブリックドメインの映画『少年と犬』をダウンロードしました。ニューヨークサーバーに接続したところ、シーダーはわずか0.44で、ダウンロード速度は2.1Mb/秒でした 。700MBのファイルを6分以下でダウンロードできました。
シーダーは0.44と少なかったものの、下り速度は2.1Mb/秒に達しました
ExpressVPNでポートフォワーディングが使えるのはルーターアプリのみであり、SOCKS5プロキシは提供していません。より高速でシードするために使われることが多い機能ですが、筆者の検証ではこれらの機能がなくても高速でダウンロードできることが分かりました。
なお、当社はTorrentやストリーミングの違法利用を容認しません。法律を違反しないよう、ダウンロードするのは著作権フリーのファイルだけにしてください。
インストール・アプリ
10.0
ExpressVPNのデスクトップ・モバイルアプリは見た目がきれいで、動作が安定しており、使いやすい設計です。 すっきりしたモダンなデザインで、中央に大きな電源ボタンがあります。
3点リーダーをクリックするとサーバー一覧、3本線アイコンをクリックすると設定が表示されます
最近接続したロケーションが表示されるのは便利です。また、WindowsアプリとMacアプリはほぼ同じです。
3本線アイコンをクリックすると、アプリの設定が開きます。 この画面では、セキュリティプロトコルの変更、スプリットトンネルの設定、Network Lock(ネットワーク保護)などの機能のオン・オフ切り替えなどが可能です。
一部の設定と機能はホームページからExpressVPNのダッシュボードにログインしなければアクセスできません。 「マイアカウント」を開くと、アクティベーションコードとサブスクリプション情報の確認、支払方法の変更、過去の請求書の閲覧ができます。また、DNS設定を変更したり、MediaStreamerのIPアドレスを確認したりすることも可能です。設定ページでは、ExpressVPNのアプリをダウンロードできます(設定ガイドもあり、各デバイスへのインストール方法が分かります)。
設定とインストール
ExpressVPNに加入し、インストールするのに3分しかかかりませんでした。
デバイスを選び、緑色のダウンロードボタンを押すだけです
ExpressVPNをインストールする手順を説明します。
【クイックガイド】3ステップで簡単!ExpressVPNをインストールする方法
プランを選びます。 ExpressVPNの公式サイトにアクセス し、登録しましょう。プランを選び、必要な情報を入力してください。30日間返金保証付きなので、リスクなしで試せます。
アプリをインストールします。 ExpressVPNはWindows、macOS、Linux、Android、iOS用アプリがあり、使いやすい設計です。デバイスにアプリをダウンロードし、アクティベーションコードを入力してください。
サーバーに接続します。 ExpressVPNで動画の視聴、ブラウジング、ゲーム、Torrentなどを安全に行えるようになりました。
Windows、Mac、iOS、Androidデバイスでは、上記の手順で設定できます。Linuxの場合、コマンドラインを使って設定しましょう。所要時間はほかのOSとほぼ同じで、ExpressVPNのホームページに詳しい設定ガイドが掲載されています。
対応機器:幅広いハードウェアで利用可能
ExpressVPNはすべての主要なOSに対応しており、幅広いデバイスで使えます。 Windows、Mac、Android、iOS、Linuxデバイスでは専用アプリが利用可能です。Android TVにも完全版アプリを設定できるわけです。Apple TV、Amazon Fire TV、Fire Stick、Chromecast、Google TVなどのアプリも用意されています。アプリはすべて各デバイスのアプリストアから簡単にダウンロードできます。
ルーター用アプリも充実しているため、ほぼすべてのデバイスで通信を暗号化できます。
MediaStreamerを活用すると、アプリがないデバイスにもとても簡単に設定できます
ExpressVPNの良さの1つは、どのデバイスでもアプリを直感的に使えること。 OSによらず、アプリの使い方はほぼ同じです。Linuxアプリは例外で、GUIがないためテキストで操作することになりますが、コマンドラインから簡単にサーバーを切り替えたり、機能を使ったりできます。
アプリの見た目は似ていますが、利用可能な機能は若干異なります。
上記のOSのほかにも、ExpressVPNのMediaStreamer機能を使うとVPN非対応デバイスも簡単に接続できます(ゲーム機やスマートテレビなど)。Chrome、Firefox、Microsoft Edgeではブラウザ拡張機能が使えます。
デスクトップパソコン:Windows、Mac、Linux用アプリ
ExpressVPNのWindowsアプリとMacアプリはインターフェースがそっくりで、どちらも日本語に対応しています。 しかし、機能は少し異なります。OpenVPNとLightwayプロトコルはWindowsとmacOSの両方で使えますが、IKEv2はmacOSでしか使えません。また、macOS 11以降のMacデバイスでスプリットトンネル機能は使えません。
Windows 7以降、macOS 10.11以降で利用可能です。ExpressVPNはAppleシリコン(M1、M2)を搭載したMacデバイス向けアプリもリリースしました 。通常、これらのデバイスで使えるようにアプリを作り直さなければならず、その過程でバグが発生しがちですが、ExpressVPNならその心配はありません。最新版Macアプリに更新すればAppleシリコンを搭載したデバイスでも使えます。
唯一の違いは、Macアプリにはスプリットトンネリング機能がないことです
デスクトップアプリは3つすべてのOSで使いやすいと思いましたが、Linuxはコマンドを覚えるのに少し時間がかかりました。 GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)がないからです。LinuxアプリをGUIで操作できるVPNはほとんどありませんが、Private Internet AccessのLinuxアプリはWindowsアプリやMacアプリと同じように操作できます。
しかし、ExpressVPNのFirefoxとChrome向けブラウザ拡張機能を使えば、GUIで操作できます 。拡張機能はプロキシではなくアプリのリモコンのような役割を果たし、ブラウザだけでなくデバイス全体の通信を保護します。唯一の欠点は設定を変えられないこと。拡張機能でできることは、接続、接続の終了、サーバーの切り替えだけです。
LinuxにExpressVPNをインストールして設定を変更するには、ターミナルにコマンドを入力する必要があります。 例えば、「expressvpn connect」と入力すると、最後に接続したロケーションに再接続されます。「expressvpn list all」というコマンドでは全サーバー一覧が表示されます。ブラウザ拡張機能のほうが使いやすいため、筆者がターミナルで操作するのは主にプロトコルを切り替えたいときだけです。
スプリットトンネリング機能のほかにも、Linuxアプリにはほかのデスクトップアプリで使える必須機能がすべてそろっています。 WindowsやMacとの主な違いは、LinuxアプリではLightwayとOpenVPNプロトコルしか使えないことと、アプリのショートカット機能を利用できないことです。「ショートカット」を使うと、指定したWebサイトにVPNアプリからワンクリックでアクセスできますが、私はあまり使いませんでした。Linuxアプリは、Ubuntu、Fedora、Arch、Raspbianに対応しています。
Linuxアプリで使えないのは、アプリのショートカットとスプリットトンネリングだけです
どのOSでも、ExpressVPNのデスクトップアプリは多機能で便利です。
iOS・Android
全体的にAndroidアプリとiOSアプリはデスクトップアプリと似ており、日本語で使えます。
Androidアプリではデスクトップアプリの機能(スプリットトンネリング、キルスイッチ、自動接続)のほかに、追加機能がいくつかあります。ホーム画面の下には保護に関するアドバイスが掲載されたExpressVPNのブログ記事へのリンクがあります。
Androidアプリについてもう1つユニークなのは、アプリ内でのスクリーンショットの撮影を無効化できること。ほかのアプリや部外者にExpressVPNのアプリ画面の機密情報を覗き見されるのを防げます。
Google PlayストアからAndroidアプリをダウンロードする前にExpressVPNの公式サイトから加入することをおすすめします 。Android 5.0以降で利用可能です。
モバイルアプリの唯一の違いは、iOSアプリにはスプリットトンネリング機能がないことです
「ExpressVPN Keys」はExpressVPN独自のパスワードマネージャーで、Android・iOSアプリで使えます。 無制限のパスワードを暗号化した状態で保存でき、アカウントにログインしやすくなります。パスワード生成ツールを使えばオンラインサービスごとに固有の安全なパスワードを簡単に作成できます。ExpressVPN Keysのブラウザ拡張機能を入手すると、Windows、macOS、Linuxでも使えます。
IIIT-Hが脆弱性のあるAndroid版パスワードマネージャーがいくつか存在すると発表したことを受けて、ExpressVPNがAndroidのKeysを更新したのはすばらしいと思いました。その報告書にExpressVPN Keysは記載されていませんでしたが、セキュリティに対する積極的な姿勢がうかがえます。
Keysのほかに、モバイルアプリにはProtection Summary(保護サマリー)という機能があります 。アプリをインストールしてからVPNに接続した合計時間がパーセンテージで表示されます。
Androidアプリで使えるプロトコルは「Lightway UDP」と「OpenVPN UDP」の2つです。Android版ではアプリとWebサイトへのショートカットも作成できます(最大5個)。全体的にAndroidアプリはデスクトップアプリと同じように動作します。ドラマをHD画質で視聴でき、LightwayプロトコルではモバイルデータとWi-Fiが瞬時に切り替わります。
残念ながら、iPhone版でスプリットトンネリング機能は使えません 。しかし、iPhoneにはAndroidアプリにはない機能が2つあります。
iOSアプリではThreat Manager(脅威マネージャー)とParallel Connections(パラレル接続)が利用可能 で、マルウェアから身を守り、制限されたネットワークでVPNにより高速で接続できます。
パラレル接続ではVPNが一度に複数の接続方法を試みるため、より高速でサーバーに繋がります(特に制限されたネットワークで効果的です)。例えば、学校のネットワークではUDP接続がブロックされていることがありますが、TCPでも接続を試みるため、手動で複数のプロトコルを試す必要はありません。さらに、ExpressVPNのほかのアプリでショートカットを作成すると、iOSアプリでもそのショートカットを使用できます。
iOSアプリではLightwayプロトコル(TCPとUDP) のほかにも、IKEv2プロトコルが使えます。
iPhoneの場合、アプリはApp Storeからインストールすることになります。iOS 12以降で利用可能です。
Chrome、Firefox、Edge、Brave、Vivaldi用ブラウザ拡張機能
ExpressVPNのブラウザ拡張機能には追加のセキュリティ機能がいくつかありますが、パソコンでしか使えません。 Chrome・Firefox専用のブラウザ拡張機能があります。Microsoft Edgeに追加することもできますが、Chromeウェブストアから拡張機能をダウンロードし、Edgeの画面上部に表示される「他のストアからの拡張機能を許可する」というポップアップで「許可」をクリックする必要があります。BraveとVivaldiブラウザでも同じ手順で拡張機能を入手できます。
ExpressVPNの拡張機能はプロキシではなく、アプリのリモコンのような役割を果たします。 拡張機能からアプリを操作する仕組みで、すべての機能が使えるのです。予めパソコンにExpressVPNをダウンロードしておく必要がありますが、ブラウザで接続するとアプリでも接続された状態になります。
位置情報を隠すと、ブラウザの位置情報を要求するプラットフォームにアクセスする際に役立ちます
ブラウザ拡張機能を使うことで、ブラウザの位置情報を要求するHuluなどの動画配信サービスにアクセスできました。 Huluはデバイスの位置情報からユーザーの現在地を特定しようとしますが、「ロケーションを隠す」を有効にするとVPNサーバーと同じ場所にいるように見せかけることができ、ブロックを解除できるのです。
拡張機能はWebRTCの漏えいも防ぎます。 WebRTCは多くのブラウザで有効になっている通信ソフトウェアで、IPアドレスを公開することがあるのです。データ漏えいテストでWebRTCの漏えいは検出されませんでした。
「HTTPS Everywhere」を有効にすると、より安全にブラウジングできます。 HTTPS版サイト(暗号化を用いた安全なバージョン)がある場合、ExpressVPNは自動的にそちらにアクセスします。この設定を有効にして普段使っている6個のサイトを訪問したところ、必ずHTTPSサイトが表示されました。
ExpressVPNのブラウザ拡張機能はとても便利ですが、スマホとタブレットで使えないのは残念です。 パソコンでアプリとブラウザを行き来するのは簡単ですが、タッチパネルでは面倒です。Chromebook(ChromeOS)ではブラウザ拡張機能を使えるものの、私が試したときは同期のトラブルが発生したのでおすすめしません。Safariの拡張機能がないのも残念です。
ルーター専用アプレット
ExpressVPNはブラウザベースのルーター用アプリがあり、一部のデバイスでは手動設定も可能です。 ExpressVPNが一層使いやすくなり、ここまで優れたルーターアプリを提供しているVPNはほとんどありません。
この方法でアプリをインストールすると、いくつかメリットがあります。 ExpressVPNのサーバーネットワーク全体 が利用でき、ホームネットワークに接続されているすべてのデバイスを防御できます。本来VPNソフトをサポートしていないデバイスも守れるわけです。特にRokuでExpressVPNを使用 したい場合に効果的です。
さらに、ゲーム機やスマートテレビ、古いChromecastなどのストリーミングデバイスでも通信を暗号化でき、速度制限を回避できます。ルーターにインストールする最大のメリットは、無制限のデバイスを保護できることです。
ルーターアプリにはキルスイッチやスプリットトンネリングなどの機能も備わっています。設定ガイドは分かりやすく、10分以内にインストールできました。ExpressVPNのアプリはAsus、Linksys、Netgearの幅広いルーターモデルに対応しています。
なお、ルーターにExpressVPNのファームウェアをインストールすると、元のファームウェアが置き換えられます。保証が無効になる可能性があり、設定を間違えるとルーターが故障する恐れがあるので注意しましょう。ExpressVPNのホームページに掲載されている手順に従って慎重に作業を進めてください。分からないときは24時間年中無休サポートに問い合わせましょう。
ルーターにExpressVPNを設定する方法を説明します。
ルーターで初期設定を行います。 次に、ExpressVPNのダウンロードページでお使いのルーターモデルを検索し、ファームウェアをダウンロードしてください。
ブラウザでルーターの管理画面にログインします。 デフォルトのアドレスは「192.168.1.1」です。
詳細設定(Advanced)タブで管理(Administration)セクションを開きます。 次に、参照(Browse)を選択します。
先ほどダウンロードしたファームウェアが保存されているフォルダを開きます。 ファイルを選択し、更新(Update)をクリックします。インストール後、工場出荷時の設定でルーターを再接続しなければならない場合があります。
https://www.expressvpnrouter.comにアクセスします。 ガイドを参考にして設定を完了しましょう。
VPNサーバーを選びます。 ダッシュボードを通してExpressVPNのルーターアプリを管理することもできます。
【注意】 詳しい設定手順については、お使いのルーターモデルの設定ガイドをご覧ください。上記の手順はNetgear Nighthawk R6400v2に設定する方法です。お使いのルーターでは手順が若干異なる場合があります。
最近、ExpressVPNのルーターソフトウェアがアップデートされました。バージョン 2.7.0以降のソフトに自動更新機能が追加され、アップグレードやアップデートが利用可能になったときに手動で再インストールする必要がなくなったのです。また、インフラにOpenSSLバージョン1.1.1kが実装され、セキュリティが向上しました。新しいLinksysのWi-Fiドライバも導入され、安定性が増しています。
デバイスグループを作成し、指定したサーバーに接続するように設定することもできます。 デバイスグループ機能の使い方は簡単で、ドラッグ&ドロップでデバイスをグループに追加・削除できます。
他社VPNの場合、ルーターに接続されているデバイスはすべて同じサーバーに接続されますから、異なるサーバーに接続できるのはExpressVPNならではです。
ExpressVPN搭載ルーターを購入するか、VPN対応ルーターにインストールするか、手動で設定することができます
Asus、D-Link、DD-WRT、Netduma、Sabai、Tomato、TP-Link、Xiaomiのルーターモデルには、ExpressVPNを手動でインストールすることも可能です。 ただし、手動設定は時間がかかり、IPアドレスを変更することしかできません。
ExpressVPN搭載ルーターを買うのが一番簡単です が、ExpressVPNをルーターで使う方法のなかで一番コストが高いことに留意しましょう。ExpressVPNの公式サイトでファームウェアが設定済みのルーターがいくつか販売されています。
ExpressVPNは「AirCove 6」という独自のWiFiルーターも開発しました。 高速な「WiFi 6」という技術を採用しており、自宅のWiFiに接続されているデバイスをドラッグ&ドロップで5つのグループに振り分けて、指定したサーバーに接続することができます。AircoveはCure53社による独立監査を受け、安全であることが証明されています。
MediaStreamer:Xbox、PlayStation、ニンテンドースイッチ、Apple TV、スマートテレビなどで使える
MediaStreamer(SmartDNSプロキシ)を使うと、ゲーム機やスマートテレビなど通常はVPNが使えないデバイスをExpressVPNに接続できます。 これらのデバイスはVPNをサポートしていませんが、デフォルトのDNSサーバーを変更することは可能です。デバイスのインターネット設定でDNSサーバーアドレスをMediaStreamerのIPアドレスに置き換えるだけです。
なお、MediaStreamerはあくまでストリーミングのための機能であり、VPNとは別物です。ロケーションは変更できません。MediaStreamer DNSに接続すると、アメリカとイギリスの位置情報が提供されます。理論上は日本から海外の動画コンテンツにアクセスするために使えますが、このような行為は著作権侵害と見なされ、動画配信サービスの利用規約に反する可能性があるのでやめましょう。
ExpressVPNの同時接続数は8台ですが、MediaStreamerを設定したデバイスも1台とカウントされます。また、MediaStreamerは通信を暗号化したりIPアドレスを隠したりしないため、安全性の観点ではVPNアプリのような効果はありません。しかし、筆者が試したときは通信速度に影響しませんでした 。
私は日本に住んでいるので、イギリスの同僚にMediaStreamerを試してもらいました。LG製のスマートテレビに5分以下でMediaStreamerを設定できた そうです。ExpressVPNのアカウントにIPアドレスを登録するだけでした。新たなMediaStreamerのIPアドレスが付与され、テレビのネットワーク設定に新しいアドレスを入力したら完了です。MediaStreamerのイギリスのIPアドレスでChannel 4とBBC iPlayerのコンテンツを視聴できたと報告してくれました。
IPアドレスを登録して「このデバイスでDNSを設定する」をクリックすると、MediaStreamerのIPアドレスを取得できます
次に、アメリカの同僚にMediaStreamerのアメリカのIPアドレスで動画を視聴できるか試してもらいました。その結果、MediaStreamerを使っても、VPNなしで見られる動画配信サービスを視聴できたそうです。これにはHulu、Max、Amazonプライムビデオ、アメリカ版Netflixなどが含まれます。
国によってコンテンツライブラリが異なるアプリ(NetflixやAmazonプライムビデオなど)にMediaStreamerを使ってアクセスするとアメリカのライブラリが表示されるため、アメリカにいない場合は注意してください。当社は著作権侵害に反対しています。アメリカにいない限り、MediaStreamerを使ってそのようなサイトにアクセスするのはご遠慮ください。
MediaStreamerはVPNに対応していないデバイスで動画配信サービスを視聴するのに役立ちます。 しかし、VPNの全機能で安全を確保したい場合、ExpressVPNのルーターアプリを使ったほうがよい でしょう。
同時接続数:最大8台のデバイスを繋げる
どのプランでも、同時に8台のデバイスでExpressVPNを使えます。 以前は5台でしたが、値上げせずに接続台数が増えたのは感心しました。ほかのVPNより多いものの、無制限のデバイスで利用可能なVPNも存在します(Surfshark、Private Internet Access、IPVanishなど)。
とは言え、ExpressVPNをルーターに設定すれば、無制限のデバイスを接続できます。他社とは違ってルーター専用アプリとファームウェアが用意されているので、ルーターに設定しやすく使い方も簡単です。ルーターに設定すると、デバイスを何台でも接続できるようになります。
試しに、イギリスの調査スタッフがノートパソコン、PC、iPhone、AndroidのタブレットにExpressVPNを設定し、LGのスマートテレビにもMediaStreamerを使って設定しました。その結果、「Doom Eternal」というマルチプレイヤーゲームをプレイしながら4つの動画配信サービスにアクセスできたそうです。画質が悪くなったりバッファしたりすることはなく、ゲームもラグは発生しませんでした。ExpressVPNなら接続台数がパフォーマンスに影響を与える心配はありません。