海外のIPアドレスに変更する方法│2025年
海外のIPアドレスに変更する方法はいくつかあります。海外のIPアドレスに変更することで、お使いの端末のネット通信があたかも海外から接続されているように見せかけることができます。ただし、方法によっては通信が安定しなかったり低速になることがありますし、特定の国にしか変更できないものもあります。
IPアドレスを変更するには、「VPNを使う」、「プロキシサーバー経由で接続する」、「Torでネット利用する」、「ルーターをリセットする」といった方法が一般的です。上記のとおり、IPアドレスを変更するのにVPNの利用が必須というわけではありませんが、エジプト、ジョージア、韓国、ハンガリー、アメリカなど特定の国のIPアドレスを取得したい場合、VPNが最も確実で簡単です。VPNは普及してきており、2025年のDemand Sage社の調査によると、世界で17億5000万人以上がVPNを利用していると報告されています1。
この記事では、IPアドレスに変更する各方法と手順、それぞれのメリットとデメリットをまとめましたので、ニーズに最も合っている方法をお選びください。VPNは利用したい国のサーバーに接続してIPアドレスを取得できます。無料VPNも使えますが、サーバーの設置場所が少なく、その他にも利用制限があります。プロキシやTorでもIPを変更できますが、好きな国を選択できず、速度が遅くセキュリティも劣ります。ルーターを再起動する方法もありますが、現在契約中のインターネットプロバイダーから新しいIPが再発行されるだけなので、海外のIPに変更したい場合は、意味がありません。
お急ぎですか?IPアドレスを変更する方法(2025年)
メリット | デメリット | |
有料VPN | ✅ コロンビア、ウクライナ、カザフスタンなど、利用できる国が最も充実 ✅ 軍事レベルの暗号化でプライバシーとセキュリティ保護 ✅ 高速・安定した接続でスムーズにストリーミングできる ✅ すべての主要OSに対応 ✅ 専用アプリがあるので使いやすい ✅ 充実したカスタマーサポート |
❌ 有料加入とメールアドレスでのアカウント登録が必要 |
無料VPN | ✅ 無料 ✅ 通常、数カ国のサーバーを利用可能 ✅(特にフリーミアムVPNの場合は)プライバシー保護機能付きなので比較的安全 ✅ 一般的に操作が簡単 |
❌ 利用できるサーバーが少ない (場合によっては1か国のみ) ❌ 国を指定できないことがある ❌ サーバー混雑による速度低下の発生 ❌ データ使用量に上限があることが多い ❌ ユーザーのデータを盗む危険な無料VPNもある |
プロキシサーバー | ✅ 大半の場合、無料 ✅ IPアドレスを変更できるサーバーが豊富な場合もある |
❌ 通信を暗号化をしないため安全性に欠ける ❌ 実際のIPが漏洩する可能性あり ❌ ストリーミングサービスでブロックされることが多い ❌ 有料プロキシを利用する場合、個人情報の登録が必要 ❌ 速度が遅く不安定になりがち |
Torブラウザ | ✅ 無料 ✅ セキュリティが強力で通信が複数回ルーティングされる ✅.onionサイトへのアクセスが可能 |
❌ 国を選択できないことが多い(出口ノードがランダム) ❌ 通信のルーティングによる極端な速度低下 ❌ ストリーミング・ゲーム・トレントには不向き ❌ Tor通信をブロックするサイトがある |
ルーターの再起動 | ✅ 無料かつ迅速 ✅ 追加ソフト不要 |
❌ IP番号は変更されるが位置情報は変わらない ❌ 再起動ごとに新しいIPが保証されるわけではない ❌ 頻繁にリセットするとルーターが損傷する可能性あり ❌ セキュリティやプライバシー保護なし ❌ 国制限は回避できない |
IPアドレスを海外に変更するには?
- VPNをダウンロードします。
VPNを使えばIPアドレスを別の国に変更できるだけでなく、セキュリティも強化され、IPをいつでも柔軟に切り替えできます。 - VPNをインストールします。
VPNのインストールファイルに表示される指示に従えば、ほんの数分もかからず完了できます。 - 海外のサーバーに接続します。
VPNのインストールが完了したら、好きなサーバーを選択して接続します。例えば、ハンガリーのサーバーに繋ぐとIPアドレスがハンガリーになり、公共のWiFiでもOTP銀行口座に安全にアクセスできるようになります。
【手順ガイド】VPNを使って海外のIPアドレスを取得する方法
VPNを使えば、ほんの数分で海外のIPアドレスを取得できます。無料版よりも有料VPNがおすすめです。好きな国のIPをより確実に選べ、高速通信を維持しながらデータを暗号化できます。VPNは普及してきており、2025年Forbesの調査によると、24%のネットユーザーがVPNを利用して海外コンテンツにアクセスしているそうです2。
VPNは「どのデバイスでも利用できるのか?」と疑問に思われる方も多いかと思います。VPNはモバイル端末とパソコンの両方で利用が可能です。2024年VPN Alert社によると、モバイル端末所有者の42%のユーザー、パソコンでは35%のユーザーがVPNを利用していると推測されてます3。
XboxやRokuなど、全端末用の専用アプリが存在するわけではありませんが、ルーターにVPNを接続することで、ルーターに接続している全デバイスのIPアドレスを変更したり通信を暗号化することが可能ですので、とても便利です。ここではパソコンでIPアドレスを変更する手順を説明していますが、モバイルのVPN専用アプリの手順とほとんど変わりません。
1. VPNを選んでインストールします
利用したい国にサーバーがある(複数あれば尚可)VPNを選びましょう。例えば、ルーマニアのIPアドレスを取得したい場合、Surfsharkはルーマニアにサーバーがありますから取得が可能で、どこからでもAtena PlayやDigi24に安全にアクセスできるようになります。同様に、サウジアラビアのIPアドレスを取得したい場合は、同国にサーバーがあるVPNを選びましょう。
ほとんどのVPNは、インストール前にメールアドレスと決済情報を登録する必要がありますが、その他過度に個人情報を要求するVPNの使用はお勧めしません。なお、大手VPNは、プライバシー強化のため仮想通貨での支払いにも対応しています。VPNの設定は簡単で、インストールして画面の指示に従うだけですぐに起動できます。

2. 利用したい国を検索します
VPNをインストールしたら、利用したい国のサーバーを検索しましょう。高性能なVPNならダッシュボード上に世界地図やサーバーリストが表示されますので、直感的に検索できるはずです。なお、利用したいサービスに確実にアクセスできるように、適切な国を選ぶようにしましょう。例えば、Paramount+(パラマウントプラス)を利用したい場合、主にアメリカで利用可能なサービスなので、アメリカのサーバーを選んでアメリカIPアドレスを取得します。

3. サーバーに接続します
利用したい国のサーバーに接続すると、あなたのIPアドレスがその国のIPアドレスに変更されます。高性能なVPNは、セキュリティ設定がデフォルトで最適化されているはずですが、接続前に念のため設定を確認しておくと良いでしょう。通常、VPNでは複数のプロトコルオプションがあったり、キルスイッチ(VPNが予期せず切断された場合にネット接続を一時的に遮断する機能)のオン・オフを切り替えたりできます。これらの設定が完了または確認したらサーバーに接続しましょう。例えば、海外旅行中にVPNで日本のIPアドレスを取得すれば、海外からでもいつもどおり安全に楽天銀行アプリを利用できます。

4. IPアドレスが変更されたことを確認します
IPアドレスが正常に変更されたことを確認するには、リークテストツールの利用をお勧めします。IPチェッカーサイトは沢山ありますので、お好みのサイトにアクセスして確認しましょう。チェッカーサイトは、デバイス上に現在表示されているIPアドレスを自動的に検出します。VPNが正常に機能していれば、実際の位置情報は隠され、VPNサーバーのIPアドレスのみが表示されるはずです。なお、実際のIPアドレスが漏洩・表示されている状態でBBC iPlayerやITVXなどのストリーミングサービスにアクセスしようとすると、(セキュリティ目的で同国内からVPNを利用している場合でも)IPアドレスの異常が検証され、アクセスがブロックされてしまいます。

5. 海外のコンテンツを楽しみましょう
これでブラウジング、トレント、ゲームなど、インターネットを更に便利に利用できます。通常、特定の国限定のWebサイト、ECサイト、銀行アプリなどには「ジオブロック(地理制限)」が掛かっていますが、VPNでその国のIPアドレスを取得すれば、安全・スムーズにアクセスできるようになります。

なぜIPを取得できない国があるのか?
法律や検閲、需要不足などの理由から、一部の国にはVPNサーバーが設置されていません。当サイトのVPNの比較表・記事に掲載されているVPNサービスは、韓国、コロンビア、ウズベキスタン、ウクライナなど、様々な国にサーバーを展開していますが、世界中のすべての国を網羅しているわけではありません。これは、VPNが禁止されている国や、物理サーバーの閉鎖を要請した国があるためです。
多くのVPNサービスは仮想サーバーを提供しており、サーバーがない国の近隣国サーバーを経由させて通信をルーティングすることで、その国のIPを割り当てます。ただし、この処理が必ずしも機能するとは限りません。利用したい国に物理サーバーがない場合、同一または類似の地域コンテンツを配信している近隣国のサーバーを利用すると良いでしょう。
ネット検閲国のIPアドレスを取得するには
検閲が厳しい国のIPアドレスを取得することは可能かつ合法です。ロシア、中国、サウジアラビアなどといった国のサイトやサービスに安全にアクセスしたい場合や、ロシア滞在中にロシア政府がブロックしているFacebookやX(旧Twitter)などを閲覧するために、海外のIPに切り替える人も多くいます。
ただし、厳しいネット検閲を実施している国内で禁止コンテンツにアクセスする行為は違法となる場合が多いので注意が必要です。滞在中の国の法律を細かくチェックして、VPN利用に関して制限等が設けられていないか確認しておきましょう。
無料VPNでも海外のIPに変更できるのか?
可能ですが、無料VPNでは利用できるサーバーの数がかなり少なく、その他にもいくつか不便な点があります。無料VPNは、実質的に有料VPNの試用版に過ぎません。サービスを試すためのものなので、ほんの一部のサーバーしか利用できません。利用できるサーバーが少ないのでサーバーが過密状態になって速度低下が発生し、動画視聴などは難しいことが多いです。
おすすめのフリーミアムVPNは、こちらのランキングをチェックしてみてください。Proton VPN、hide.me、Avira Phantom VPNなどを推奨しています。無料なので制限はあるものの、安全に使用できますし、アメリカやイギリスなど人気国のIPアドレスを提供しています。
有料版のない完全無料のVPNは、悪質な手段で収益を得ていることが多いためお勧めできません。ユーザーのデータを収集して第三者に販売するケースもあれば、ユーザーの端末にマルウェアやトラッカーを侵入させる事例も報告されていますので、避けるのがベストです。
プロキシサーバーでIPアドレスを変更する方法
プロキシの仕組みはVPNと似ていますが、利便性が大幅に低く、プライバシー面でも懸念があります。プロキシの場合、ネット通信は中間サーバーを経由するため、サイトやオンラインリソースには自身のIPアドレスではなくプロキシサーバーのIPアドレスが表示されます。また、有料のプロキシは登録時に(電話番号や実際のIPアドレスなど)個人情報を過度に聞かれることが多いです。
しかし、特に有料プロキシサービスの場合は、膨大な数のロケーションを提供しているという点においては便利です。例えば、DecodoやNetNutは190ヶ国以上のロケーションがあります。通常、これらは住宅用IPとデータセンターIPに分類されています。住宅用IPは特定の住居に関連付けられるのに対し、データセンターIPは企業のサーバーでホストされます。前者はサービスに安全にアクセスできますが、後者はより高速です。プロキシがVPNより高速だと主張する声もありますが、実際に検証したところ、結果はまちまちでした。
メリット | デメリット |
✅ 無料で利用できることが多い | ❌ 接続が不安定 |
✅ Webプロキシはソフトウェアのインストールが不要 | ❌ 特定のアプリしか使えない |
✅ すぐに設定できる | ❌ プロキシサーバーの所有者は、通過する全通信を閲覧可能という点において、重大なプライバシーの懸念あり |
✅ 基本的なサイト利用に対応できる | ❌ 暗号化保護なし |
TorブラウザでIPアドレスを変更する方法
Torブラウザは無料のオンラインブラウザで、ネット通信を暗号化し、最終目的地に到達する前に複数の中継サーバーを経由させます。通常、TorネットワークはランダムなIPアドレスを割り当てることで実際の位置情報を隠します。ただし、特定の条件下では特定の国のIPアドレスを使用するようリクエストできる場合があります。
メリット | デメリット |
✅ 最上位レベルの匿名性保護 | ❌ 複数の中継サーバーを経由するためネット通信が大幅に遅延 |
✅ 完全無料で利用できる | ❌ 利用国によっては設定が複雑 |
✅ .onionサイトにアクセス可能 | ❌ ストリーミングやトレントには通信が遅すぎる |
✅ 通信の複数中継と強力な暗号化 |
ルーターリセットでIPアドレスを変更する方法
ルーターのリセットでIPアドレスを変更することは可能ですが、位置情報は変わりません。単に現在の位置を表す数字が変更されるだけですし、ルーターが損傷する可能性や、工場出荷時の設定にリセットされるためリスクが高く、総合的に見てこの方法はお勧めできません。また、位置情報を変えずにIPアドレスだけを変更する利点はあまりありません。
メリット | デメリット |
✅ 無料 | ❌ 位置情報は変更されない |
❌ ルーターを損傷する可能性がある | |
❌ セキュリティやプライバシーのメリットなし |
【対処法】希望する国のIPアドレスに変更されない場合
これは低品質なVPNサービスを利用している場合、頻繁に発生する可能性があります。このようなVPNは、実際のIPアドレスをきちんと隠せなかったり、誤った国のIPを割り当てる不具合が発生します。プロキシも同様で、特に無料サービスではこの傾向が強いです。
希望のサーバーに接続できない場合、そのサーバーが一時的にダウンしている可能性があります。一部のVPNは、サーバーの横にサーバー情報を表示しています。例えば、Proton VPNでは、利用不可のサーバー横にレンチアイコンが表示されます。大手のVPNなら、24時間年中無休のライブチャット窓口もあるため、サーバーの状況についてすぐに問い合わせできます。
プロトコルを切り替えて再接続を試してみても良いでしょう。VPNのプロトコルとは、そのVPNがサーバー接続時に適用しているルールを指します。複数のプロトコルオプションがある場合、別のプロトコルを試すことで接続が成功する可能性があります。
なお、VPNの再インストールが必要な場合もあります。高性能VPNでは、このようなことはほとんどありませんが、利用したい国にある全サーバーを試しても接続できない場合は、再インストールを試す価値はあるかもしれません。しかし、この手順を踏む前に、VPNアプリを終了して再起動するか、デバイスを再起動すると問題が解決する可能性もありますので、まずはそちらをお試しください。
海外IPアドレスの取得についてよくある質問
海外のIPアドレスを取得することは合法ですか?
はい。IPアドレスの変更は合法です。ほとんどの国は、市民がIPを変更する行為を法律で禁止してはいませんが、特定のサービスやサイトにアクセスする行為は違法となる場合があります。VPNの利用を検討される前に、お住まいの国の法律について確認しましょう。
IPアドレスは無料で変更できますか?
はい。プロキシサービスを利用すれば無料でIPアドレスを変更できます。ただし、デバイスを保護する暗号化機能は付いていません。その他、Torブラウザを使用したり、ルーターを再起動して新しいIPを取得することも可能ですが、これらの方法はIPアドレスの国を選べません。無料VPNでもIPを変更できますが、利用制限があります。通常、利用できるサーバーの場所は1〜10か所に限られ、データ制限やサーバー混雑による速度低下が発生します。
IPアドレスが別の国に変更されたことを確認するには?
IPチェッカーサイトを利用すれば、すぐに確認できます。IPチェッカーサイトは「リークテスト」ツールとも呼ばれ、訪問サイトに表示されるあなたの現在のIPアドレスを確認できます。選択した国のIPと一致していることを確認しましょう。
IPアドレスを変更すると速度は低下しますか?
ほぼ確実に低下しますが、低下率はIPの変更方法によって異なります。例えば、高性能なVPNを使えば速度低下は通常ごくわずかで、ほとんど気づかないレベルです。ルーターを再起動すれば、速度に大きな影響を与えずにIPを変更できますが、海外のIPアドレスは取得できません。プロキシはVPNより速度が低下する可能性が高いですが、通信は暗号化されません。Torブラウザは複数の中継サーバーに通信を経由させるため、速度低下が最も発生します。
別のWiFiを利用するとIPアドレスは変わりますか?
はい。別のWiFiネットワークに接続すればIPアドレスは変更されます。各WiFiネットワークでは固有のIPアドレスが割り当てられますが、新しいルーターを使用したりインターネットプロバイダーを変更しても、実際の所在地は変わりません
結論
IPアドレスを変更するのに一番お勧めの方法は、VPNを使うことです。プレミアムVPNなら世界中のサーバーを利用でき、高水準のセキュリティ機能や充実したストリーミングサポートを搭載しています。プロキシやTorブラウザなどでもIPアドレスを変更できますが、利便性・正確性・信頼性においてVPNほど優れたオプションはありません。長年の実績や定評のある有料VPNを利用するのが一番確実です。無料VPNだと利用できるサーバーが制限されます。どうしてもお金をかけたくない場合は、データをきちんと保護できるフリーミアムVPNの利用をお勧めします。
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