VPNの検知を回避してブロックされるのを防ぐ方法│2025年
VPNの利用を隠して、「プロキシが検出されました」などの煩わしいエラーを回避する方法はいくつかあります。これらの方法を利用すれば、VPNでどこからでも安全にストリーミングできるだけでなく、制限付きのネットワークでもVPNを利用できるようになります。
通常、制限付きのネットワークはVPNをブロックしており、私自身もつい最近、職場のWiFiでVPNを使ったところすぐに検知されてしまいました。
更には、頻繁にアクセスしているある音楽ニュースサイトもVPNをブロックし始めたことに気づきました。どうやら、VPNを利用するアンチユーザーやボットファームによる嫌がらせが原因で、そのサイトもVPNブロックを導入したようです。サイトがこうした措置を取る理由は理解できますが、通信を暗号化して安全な環境でニュースを読む権利がユーザーにあるはずです(ユーザーたちもネット上の脅威から身を守る必要があるのです)。
そこで今回は、数百社のVPNを検証してきた当社の調査チームのこれまでの経験に基づいて、VPNの検知を回避する最善の方法をまとめました。
VPNブロックを回避するのは簡単か?:ウェブサイト、ストリーミングサービス、ISP(インターネットサービスプロバイダー)、政府機関は、VPN通信を検知する技術の向上を続けているため、VPNブロックを回避するのは簡単とは言えません。アメリカ人の約46%がVPNを利用していると推定されており(Exploding Topics、2025年)1、VPNユーザーは世界中では17億5000万人にも上ると推計されています(Surfshark、2025年)2。
そこで、本記事ではVPN機能や設定を活用して、VPNの検知を極力避けてブロックされないようにする方法をご紹介します。
VPNブロックを回避するには?
- 信頼できるVPNを選ぶ。
最も重要なのは、ネットワーク制限を確実に回避できるVPNを選ぶことです。多くのVPNは、制限付きネットワークからVPN接続を隠す機能を備えていません。 - VPNをインストールし、難読化機能を有効化する。
この機能を有効にするとVPN使用が隠蔽されます。難読化機能は自動で有効化されているVPNもあれば、「ステルス」または難読化プロトコルへの切り替えが必要なVPNもあります。 - VPNを検知されずブラウジングできるようになりました。
これだけで、通信を暗号化して通常通りインターネットを利用できるようになります。フラグが立てられたりブロックされたりする心配はありません。
お急ぎですか?VPNを検知されないようにする方法│2025年
メリット | デメリット | 難易度 | |
ブロックを回避できるVPNを選ぶ | ほとんどのVPNは検知を避ける機能が備わっていないため、VPN選びが最も重要です。 | 既にVPNを利用中の場合、新たに別のVPNに加入する必要があります。 | 検知を回避できるVPNを見つけるのは難しいため、当社で検証を行い、実際に回避できたおすすめ製品をリストアップしました。 |
難読化機能を有効にする | この機能は、VPN検出に最も利用されている「ディープパケットインスペクション(DPI)」を回避できます。 | VPNによっては一部のサーバーにしかこの機能が付いていないため、特定の国のIPアドレスでしか利用できない可能性があります。 | この方法は簡単です。一部のVPNでは自動的に有効化されていますが、大半の場合はワンクリックで有効化します。 |
プロトコルを切り替える | 高度なVPNは複数のプロトコルを提供しており、プロトコルを切り替えることでVPNブロックを回避できる場合があります。 | 各プロトコルを試す必要があるため、やや手間が掛かります。 | 設定画面からプロトコルを切り替えるだけなので、一般的にとても簡単です。 |
専用IPに接続する | 専用IPアドレスを利用すると、ブロックされる可能性が低くなります。 | ほとんどのVPNサービスでは、専用IPアドレスの取得に月額追加料金が発生します。 | 専用IPの有効化手順は各VPNサービスで異なるため、やや手間がかかります。 |
サーバーを頻繁に切り替える | サーバーを頻繁に切り替えることで、IPアドレスがブロックリストに登録されるリスクを低減できます。 | 切り替えるたびに接続が中断されるので、スムーズにネット利用できない可能性があります。 | 操作自体は難しくありませんが、面倒です。しかし、一部のVPNサービスではIPアドレスを自動的にローテーションしてくれる機能があります。 |
マルチホップまたはダブルVPNサーバーを試す | マルチホップは2つのサーバー(またはサーバー+プロキシ)を経由して接続するので、暗号化が強化されVPNが検知されづらくなります。 | ダブルVPNサーバーを使うと、ほぼ確実に通信速度が大幅に低下します。 | 設定済みのダブルVPNサーバーを備えたVPNサービスもあれば、自分でサーバーの入口ノードと出口ノードを選択するサービスもあります。後者は少し手間がかかります。 |
VPNブロックを回避する方法│VPNを確実に検知されないようにする
VPNが検知されないようにする方法を探しているユーザーは多く、ある調査によればVPNユーザーの50%以上がブロックを回避したいと答えています(Windscribe、2025年)3。筆者もVPNがサイトやアプリ(バンク・オブ・アメリカなど)に即ブロックされてしまった経験は多々あります。以下の方法を1つ試すか、複数の方法を組み合わせてVPNの検知・ブロックを回避しましょう。
1. 安全で信頼できるVPNを選ぶ
VPNブロックを回避できる高度なVPNを選ぶことが一番が重要です。なぜなら大半のVPNは検知を回避できないからです。例えば、無料VPNの大半は難読化機能を備えておらず、サーバーも過負荷状態のためIPアドレスが即座にブロックされてしまいます。VPN初心者の友人などにおすすめしている無料VPNがいくつかありますが、それらもやはりすぐに検知されてしまいます。
VPNサービスに既に加入している、あるいは有料サービスを利用中で乗り換えを望まない方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、ご安心ください。既存のVPNでも試せる対策がいくつかあります。以下の手順を確認して、現在ご利用中のVPNがそれらの機能や設定を備えているかチェックして、検知を回避する方法を実践してみましょう。
2. 難読化機能を利用する
「難読化」とは、VPN通信を通常のインターネット通信に見せかける技術または機能です。通常、VPNは二重の暗号化、複数のポート利用、データパケットのスクランブル化などといった方法で難読化します。一部のVPNでは難読化機能が自動で有効になります。その他のVPNでは、特定のサーバーやプロトコルを使って手動で有効化する必要があります。

3. VPNプロトコルを変更する
多くのVPNでは、難読化を利用するには特定のプロトコルを選ぶ必要があります。例えば、ExpressVPNは自動的に「Lightway(独自の難読化機能を備えたプロトコル)」に設定されています。なお、他社の多くのVPNは難読化のことを「ステルス」と呼んでいます。また、独自の用語を使用しているVPNもあります(例:Surfsharkは難読化機能を「カモフラージュモード」と呼んでいます)。

4. 専用IPを利用する
専用IPは他のユーザーとIPを共有しないためVPNがブロックされにくくなります。一つのIPアドレスを多くのユーザーが使用すると頻繁にブロックされます(特に無料VPNで起こりがちです)。また、専用IPならCAPTCHAを回避でき、銀行アプリでも検知されず快適に利用できる点も便利です。唯一の欠点は、専用IPの利用には追加の月額料金が発生するので、サブスクリプション料金が少し高くなることです。

5. サーバーを頻繁に切り替える
VPNのIPアドレスがネットワークにブロックされる場合、別のサーバーに切り替えるとうまくいくことがあります。業界トップクラスのVPNでもIPアドレスがブロックされることはあるものです。筆者は長年様々なVPNを検証してきましたが、どこの大手のVPNでも、一部のIPがブロックされてしまうという事例はありました。しかし、高度なVPNは頻繁にIPをローテーションする技術を搭載しているので、ブロックされる頻度はかなり低いです。なお、多くのVPNではサーバーへの接続を切断・再接続するたびにIPが切り替わります(毎回別の都市・国のサーバーを選択する必要はありません)。
サーバーの切り替えは、学校などの制限付きネットワークでVPN検知を回避したい場合にも有効です。学校のネットワークは通信速度が遅いことが多いですが、次に紹介する手順とは異なり、速度に大きな影響を与えることはありません。

6. マルチホップまたはダブルVPNサーバーを使う
ダブルVPNサーバー(マルチホップとも呼ばれます)は通信を二重に暗号化するため、VPNの検知が困難になります。ダブルVPNサーバーは通信を2つの異なるサーバー経由で暗号化するのでプライバシー保護も強化できます。一部のVPNには経由サーバーが設定済みのダブルVPNサーバーが用意されていますが、使用するサーバーを手動で選択できるVPNもあります。
ただし、ダブルVPNサーバーは通信を2か所のサーバーに経由させることになるので通信速度が大幅に低下するケースが多いです。個人的にはネット通信の速度は極力落としたくないので、この方法は最終手段として利用しています。しかし、状況によってはダブルVPNサーバーでないとブロックを回避できない場合もあります。なお、通信が最速のVPNはこちらで確認できます。これらのVPNの多くは高度な難読化機能やマルチホップ機能を備えています。

7. ポートを変更する
VPN設定(通常はプロトコル画面)でポートを変更すると、VPNの検知を回避しやすくなります。「ポート」とはVPNがデータ転送に使用する「ゲートウェイ」と考えてください。ポート443はHTTPS通信(この形式の通信がほとんどのサイトで使用されています)の主要ゲートウェイであるため、一般的に最も検知されにくい傾向があります。ご利用のVPNにポート443がある場合、まずはこちらに切り替えることをお勧めします。
なお、一部のVPNには「ポートフォワーディング(ポート転送)」という機能があります。私の場合はトレント利用時にこの機能を活用しています。ポートフォワーディングはシード数やダウンロード速度が向上しますが、データが意図せず露出されるリスクがあるため、VPNの利用を隠す目的には不向きです。

8. VPNとTorを併用する
Torは通信の暗号化を多重化しますので、VPNとTorを併用すると検知が困難になります。但し、この方法はTorと互換性のあるVPNを利用する必要がある他、マルチホップ機能を利用するよりもさらに通信速度が大幅に低下する恐れがあります。また、Tor用のブラウザをインストールする必要があります。Torを装った偽のマルウェアだらけのインストールファイルを提供する怪しいサイトもあるので間違ったファイルをインストールしないよう注意が必要です。なお、torproject.orgはTorブラウザをダウンロードできる安全なサイトです。
Torブラウザはダークウェブの利用に使われますが、一部のネットワークや国ではダークウェブへのアクセスが制限されています。ダークウェブでは違法の取引が行われる一方、真実を暴くジャーナリストなど、多くの人々が正当な理由でもダークウェブを利用しています。但し、Torを利用する場合は、事前にお住いの国の法律を確認し、法律違反の目的でTorを利用するのは絶対に避けましょう。当社はいかなる違法行為も容認しておりません。

【比較表】検出を回避できるおすすめのVPN
検出を回避できるおすすめVPNの主な特徴をまとめた比較表を以下に作成しました。このリストにある各VPNは、当社の定期的な機能テストとスピードテストで毎回高評価を得ているものばかりです。
また、世界中のどこからでも複数の人気ストリーミングサービスに安定してアクセスできます。さらに、学校・企業・政府など制限の厳しいネットワークでも一貫して利用が可能です。
VPNブロックを回避できるVPNの検証方法
VPNを徹底的に検証して、どのVPNが確実に検出を回避できるか、検出を回避するためどのような機能が備わっているかを確認しました。例えば、自社ルーターで様々なVPNサービスを試してみて、ブロックされるVPNとブロックされないVPNを特定しました。また、公共ネットワーク上でも試して、どれ程ブロックを回避できるかも検証しました。
さらに、当社の調査チームが30社以上のメジャーなVPNサービスを対象に、ポート・プロトコル・サーバーを順次切り替えながらリークテストと検知テストを実施して、安定してブロックを回避できる製品を特定しました。検出されなかったトップクラスのVPNは、厳しい検閲やネット監視が厳しい国でネットを安全に利用したい場合にお勧めです。また、おすすめするVPNは、人気ストリーミングサービスでも安定して動作します。
VPNブロックとは?VPNがブロックされる理由は?
筆者もこれまで様々なサイトやネットワークにVPNをブロックされた経験があります。ブロックの背景には主に以下の理由が挙げられます。まず、一部のサイトは、アンチユーザーやサイバー犯罪を減らすなど、自己防衛のためにVPNをブロックしています。また、著作権コンテンツを考慮して、特定の国・地域からのアクセスを防ぐためVPNをブロックするサイトもあります。
政府機関に関しては、大半の場合、インターネット検閲のためVPN利用をブロックしています。規制の厳しい国々は、国民がアクセスできるネットコンテンツを制限しています。VPNを使うと海外の様々なサイトやネット情報へのアクセスが可能になってしまうため、このような国々ではVPN利用が規制されているのです。
また、多くの学校、公共WiFiネットワーク、企業などは、VPNが不適切な方法で利用された場合に責任を問われることを避けるため、VPNの利用をブロックしてます。
VPNブロックの種類
ネットワークはさまざまな手法を用いてVPN通信を検出し、ブロックしています。以下は、代表的なブロックの手法です。
ブロック手法 | 解決策 | |
IPアドレスに基づいたブロック | 最も単純なVPN検出方法です。特定のIPアドレスがVPN使用の疑いがあると判断されると、そのIPをブロックします。 | IPアドレスを切り替えることで回避が可能です。IPローテーション機能があるVPNは、数分ごとに自動的にIPを切り替えることができます。また、専用IPアドレスはあなただけが利用できるIPなので、ブロックされにくくなる傾向があります。 |
IPの許可リストに基づいたブロック
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IPの許可リストはホワイトリストとも呼ばれます。特定のIPアドレスをブロックするのではなく、特定のISP経由のIPのみを許可します。 | 最善の回避方法は、強力な難読化機能、漏洩検出機能、そしてサーバーが充実したVPNを利用することです(専用IPの利用も効果的)。 |
ポートに基づいたブロック | 特定のポートはVPNで頻繁に使用されるため、ネットワークやサイトはそのようなポートをブロックすることでVPN利用を防止することもできます。 | 難読化機能を搭載しているVPNは、ブロックされにくいポートが自動的に適用されている場合が多いです。ご利用のVPNに複数のポートがある場合は、ブロックされる可能性が一番低い「ポート443」への切り替えを検討ください。 |
ディープパケットインスペクション(DPI) | データパケットを分析してVPN通信のパターンを見極めて検出・ブロックします。 | 難読化機能を搭載しているVPNが必要です。通信のパターンを変化させ、通常のネット通信とほぼ区別できない状態にできるからです。 |
サイトにVPN利用を検出された時の徴候は?
サイトにVPN利用が検出されたかが分かりづらいこともありますが、通常は以下のような症状が発生します。
- エラーメッセージ。VPN使用が検知されたことが明白にわかります。エラーメッセージは通常サイト上に表示されます。例えば、動画配信サイトの場合、VPN接続の切断を指示するページが表示されることもありますが、特定の指示のない一般的なエラーメッセージが表示される場合もあります。後者では、VPNを切断してエラーメッセージが消えた場合は、VPNが検知されていた可能性が高いでしょう。
- サイトにアクセスできない。エラーメッセージがなく、VPN接続時に特定のサイトへのアクセス自体が不可能になる場合があります。但し、この症状はVPNが検知されたとは必ずしも言い切れず、VPN自体が正常に動作していない可能性もあります。例えば、2つのVPNに同時に接続しようとしたり、メンテナンス中のVPNサーバーを使用したりすると、インターネット接続が一時的に遮断され、サイトにアクセスできないことがあります。なお、VPN接続中にネットが正常に動作している場合は、VPNの検知を回避するトラブルシューティングを試してみると良いでしょう。
- 通信速度がいつもより遅い、遅延が目立つ。この症状は稀ですが、一部のサイトはVPN通信の優先度を下げている可能性があります。VPN利用を防止するため、これらのVPN通信を意図的に遅くしているのです。VPN接続中にサイトの動きが通常より著しく遅く感じられる場合、「スロットリング(通信速度制限)」を受けている可能性があります。
VPNブロック回避についてよくある質問
参考文献
- https://explodingtopics.com/blog/vpn-stats
- https://surfshark.com/blog/vpn-users
- https://windscribe.com/blog/vpn-statistics-trends/
あなたのオンラインアクティビティは訪問先のサイトに公開されることがあります
あなたのIPアドレス:
216.73.216.182
あなたの現在地:
US, Ohio, Columbus
インターネットプロバイダ:
これらの情報は、広告、アナリティクス、好みの把握などのために使用される可能性があります。
IPアドレスからあなたの位置情報、個人情報、閲覧習慣などを調べることができるため、訪問先のWebサイトからデータを守るにはIPアドレスを隠すのが非常に効果的です。仮想プライベートネットワーク(VPN)を使うと、安全なサーバーを経由してインターネット通信を行うことで実際のIPアドレスが隠され、他の場所からネットを閲覧しているように見せかけることができます。また、VPNは通信を暗号化することで、監視や不正アクセスからデータの安全を確保します。
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