2016年にIPVanishがFBIにデータを引き渡してから数年が経ちましたが、現在も本社はプライバシー保護に向かないアメリカにあります。そこで、IPVanishが宣伝通り安全なのか徹底検証することにしました。
IPVanishのプライバシー方針と所有会社を調査し、セキュリティ機能をテストしました。通信速度やサーバーネットワーク、使いやすさも分析し、動画配信サービスにアクセスできるか、カスタマーサポートはきちんと対応してくれるかなども調べたのです。
結論から言うと、IPVanishは安全なVPNですが、これまで調査したほかの一流VPNほど安全ではありません。通信は速く、サーバーネットワークもまあまあ良いでしょう。しかし、他の観点ではかなり残念な結果となってしまいました。IPVanishを体験したい場合は、30日間返金保証が役立ちます。IPVanishは返金手続きが他社より簡単なので、満足できなければ気軽に返金してもらえます。
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メリット
- ストリーミングに向いている。世界中の調査スタッフが試したところ、バッファなしで高画質コンテンツを視聴できました。検証結果はこちら。
- スピードが優秀。通信速度はほとんど低下しませんでした。速度低下率のグラフはこちら。
- 大規模なサーバーネットワーク。IPVanishは130か国に2,400台のサーバーがあり、P2P共有とゲームに対応しています。しかし、中国では使えません。サーバーネットワークの信頼性についてはこちら。
- セキュリティ機能は優秀。軍レベルの暗号化やキルスイッチ、高度なプロトコル、DNS・IPアドレスの漏洩対策などがあります。機能の性能について詳しくはこちら。
- 使いやすい。IPVanishは初心者でも上級ユーザーでも使いこなせます。また、同時に何台でもデバイスを接続できます。主要なOSとデバイス向けにネイティブアプリが用意されていて、Amazon Fire Stickでも使えます。アプリについて詳しくはこちら。
- 安心の返金保証。30日間返金保証を活用するには1年プランに加入する必要がありますが、料金は手頃です。サブスクリプションについて詳しくはこちら。
デメリット
IPVanish VPNの機能【2024最新情報】
9.2
💸
価格
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2.19 USD/月
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📆
返金保証期間
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30 日 |
📝
VPNはログを記録している?
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なし |
🖥
サーバー数
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2400+ |
🛡
キルスイッチ
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あり |
🗺
本社の所在地
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United States |
📥
トレントに対応
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あり |
ストリーミング:高画質で視聴でき、動画の読み込みが速い
8.8
IPVanishは対応プラットフォーム数がかなり増えました。国際チームの調べで、ほぼすべての人気動画配信サービスが利用できることが分かったのです。特に画質の観点で高パフォーマンスだったので非常に関心しました。
重要!vpnMentorはいかなる著作権侵害も容認しません。IPVanishは厳格なノーログポリシーを掲げているため、オンラインアクティビティを追跡することは絶対にありません。VPNを正しく使うのは利用者自身の責任です。アプリやサイト、サービスなどの利用規約を必ず守ってください。
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近距離サーバーでも長距離サーバーでも、IPVanishは高速で、最速のVPNの1つだと言えます。遠くのサーバーに接続すると、データは長距離を移動しなければなりませんから、通信が遅くなりがちです。
スピードテストはMacBook Proで行い、Ooklaスピードテストツールを使いました。各サーバー地点の速度を調べるのが目的でしたから、一貫した結果が得られるように、プロトコルはOpenVPN TCPだけを使いました(OpenVPN TCPはIPVanishのデフォルトプロトコルです)。また、各地点のテストを行った後、最適なサーバーに自動接続するクイックコネクト機能を使い、プロトコルが通信速度にどのように影響するか調べました。
テストでは次の3つの指標に注目しました。
- ダウンロード速度(下り速度) データを受信する速度のことです。単位はメガビット毎秒(Mb/秒・Mbps)で、Webページやコンテンツの読み込みに影響します
- アップロード速度(上り速度) 動画のアップロード、メールの送信、ファイルの共有など、データを送信する速度のことです。ダウンロード速度と同様、単位はMb/秒です。ただし、送信データより受信データの方が多いので、アップロード速度はダウンロード速度より遅いのが普通です。
- 応答時間(Ping) データが到達するのにかかる時間のことで、レイテンシの指標です。Ping値が低ければ、応答が速いことを意味します。ゲームにはPing値が低いほど有利で、単位はミリ秒(ms)です。
時間帯を変えて9か所のサーバーをテストしたところ、通信速度が極端に低下することはありませんでした。テストはニュージーランドで行ったのですが、ダウンロード速度が29Mb/秒を下回ることは一度もありませんでした。
結果が一貫しなかったのは東京のサーバーでした。東京より遠くのサーバーより遅かったのです
VPNに接続前は104.65Mb/秒で、今回試したサーバーの速度を平均すると56.84Mb/秒となりました(平均低下率は46%)。全体の傾向として、サーバーが近いほど通信が速いことが分かりました。オークランドのサーバーでは低下率が20%だったのに対して、シドニーのサーバーでは8%しか低下しませんでした。なお、近距離サーバーでは10~20%ほど低下します。長距離サーバーでは、40%以上低下したらかなり遅いと言えます。
長距離サーバーも高速でしたが、結果は一貫していませんでした。ロサンゼルスは10,000キロ以上離れていますが、24%しか低下せず、素晴らしい結果となりました。サンパウロは41%でやや遅く、ドバイとフランクフルトは65%も低下してしまいました。東京はテストしたなかで3番目に近い都市だったのですが、29.44Mb/秒で最も遅い地点の1つでした。東京より遅かったのは29.38Mb/秒のロンドンだけでしたが、試した中で一番遠いサーバーだったので納得できます。
VPNに接続すると、通信は暗号化されてから長距離を移動しますから、速度が低下するのは当然です。しかし、上記2か所のサーバーは72%も低下しましたから、かなり遅いと言えますが、もともと通信が速いので大した問題ではありませんでした。普段の通信速度が20Mb/秒以下だと、ラグや速度の遅れが気になるかもしれません。
次に、国内サーバー(ニュージーランド)でIPVanishが提供しているすべてのプロトコルを試し、速度に影響するか調べました。その結果、プロトコルは速度にほとんど影響しませんでした。最速のプロトコルはWireGuardで、ダウンロード速度は99.15Mb/秒でした。WireGuardは最新のプロトコルで、速度を低下せずに強力なセキュリティ対策を実現することを目的としていますから、予想通りです。
IPVanishで最速のプロトコルはWireGuardでした
なお、「どのVPNを使うか」より「ネット通信が上下しやすいか」のほうが通信速度に影響します。とは言え、速度のベース値が違っても、速度低下率はあまり変わりませんから、以上の結果から、IPVanishを使うと通信がどれくらい低下するか見極められるはずです。
IPVanishはゲームに十分な速さですか?はい。
9.5
IPVanishで近くのサーバーに接続すれば、ゲームに適した高速通信が期待できますが、長距離サーバーはゲームには向きません。長距離サーバーはPing値が高いからです。つまり、レイテンシが高いので、ゲーム内の応答が遅くなり、ラグが発生してしまいます。快適にプレイできないわけです。
テストでは、国内サーバー(ニュージーランド)と長距離サーバー(アメリカとイギリス)で「Age of Empires 2 Definitive Edition」をプレイしました。プロトコルは、通信が最速のWireGuardを使用しました。バトルが始めると、動作の速さが決め手となりますから、レイテンシが低くなければ負けてしまいます。
IPVanishのニュージーランドサーバーでは、ラグなしで「Age of Empires 2」をプレイできました
ニュージーランドサーバーでゲーム中、Pingの平均値は12ミリ秒で、レイテンシはかなり低いことが分かりました。ゲームに適したPing値の目安は100ミリ秒以下ですから、大満足です。ゲームのパフォーマンスには影響しませんでした。ボタンを押すとほぼ瞬時にアクションが起き、VPNに接続していることを忘れるほどでした。
しかし、アメリカとイギリスのサーバーでは全く違う結果となりました。アメリカのサーバー(ロサンゼルス)のPing値は168ms、イギリスのサーバー(ロンドン)は254msだったのです。ゲームが5秒もフリーズしたり、スクロールやコマンドなどの入力操作を受け付けるのに時間がかかったりすることがありました。長距離サーバーだとかなり不利な状況となり、バトルに負けやすくなってしまいました。
サーバーネットワーク:多数の自社サーバーが広範囲を網羅
9.2
IPVanishは130か国に2,400台のサーバーがあり、サーバーネットワークは大規模です。日本にもサーバーがあり、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリア、ドイツのサーバーが最も充実しています。これらの国とブラジルでは、各都市のサーバーを選べます。アフリカと南アメリカにもいくつかサーバーがあるのは珍しいでしょう。しかし、中国やロシア、サウジアラビアなど、ネット規制の厳しい国にサーバーはありません。これらの国では「ipvanish.com」のドメインも制限されています。
IPVanishはネットワーク上の全サーバーを自社管理しているので感心しました。第三者機関からサーバーを一切レンタルしていないので、データが悪意のある人物の手に渡ってしまう可能性がかなり低くなり、セキュリティを強化できます。仮想サーバーも一切なく、各国に物理サーバーが設置されています。
IPVanishのクイックコネクト機能(Quick Connect)を使えば、最適なサーバーに簡単に接続できます。試したところ、他のサーバーよりわずかに速い近距離サーバー(オークランド)に接続されました。接続したい国または都市を選び、「接続」をクリックするだけです。また、レイテンシ、国、プロトコルでサーバーを絞り込み、接続したいサーバーを手動で選ぶこともできます。ドロップダウンメニューからサーバーを選ぶだけでなく、インタラクティブな地図でサーバーを探すことも可能です。地図は拡大・縮小でき、使いやすいと思いました。
地図を使えば、直感的にサーバーを見つけて接続できます
サーバーの切り替えも自由に行えますから、何度でもサーバーを変更できます。
セキュリティ:堅固な機能があり、一部の設定を変えられます
8.8
IPVanishが安全なVPNと言える主な理由は、世界クラスのセキュリティ機能を備えているからです。例えば、軍レベルの暗号化やキルスイッチ、DNS・IPアドレスの漏洩対策、スプリットトンネル、高度なプロトコルなどがあります。OpenVPNプロトコルのスクランブル機能を使えば、通信を難読化し、VPNを使っていることを隠せます。
マルウェア・広告ブロッカーはありません。すべてのVPNに期待したい機能ですから、残念ですね。IPVanishに搭載されていないもう1つのセキュリティ機能は、2重暗号化で通信の安全を強化する「マルチホップ」です。IPVanishはスプリットトンネル機能を提供しています(Androidアプリのみ)。スプリットトンネルを活用すると、一部の通信だけVPNに転送できるので、VPN通信と普通の通信を同時に使えます。
軍レベルの暗号化
軍レベルのAES 256ビット暗号化は、安全性がトップクラスです。「256」は暗号鍵の長さを示します(暗号鍵とは、パスワードのようにデータを保護するものです)。暗号鍵が長いほど解読に時間がかかるので、安全性が高くなります。256ビットはあまりにも長いので、世界最高のスーパーコンピュータを使っても解読には数十年かかると言われています。
認証にはSHA512アルゴリズム、パーフェクトフォワードシークレシーに対応しているDHE-RSA 2048キー交換を採用しています。このような暗号化標準により、ハッカーに復号鍵を知られたとしても、データを解読することは不可能です(復号鍵を知られる恐れは極めて低いですが)。
キルスイッチ
IPVanishは信頼性の高いキルスイッチも備えており、きちんと動作することがテストで実証できました。この機能はほとんどのVPNが提供していますから、期待通りでしょう。VPNで接続トラブルが発生した場合、キルスイッチがネット通信を遮断し、データの漏洩を確実に防げるわけです。特に、公共Wi-Fiネットワークで役立ちます。少しでも保護を怠ると、ハッカーはいとも簡単に通信を傍受できてしまいますから、キルスイッチは頼もしい存在です。なお、macOS、Windows、Androidアプリにはキルスイッチがありますが、iOSアプリにはありません。
パソコンでキルスイッチのオン・オフを切り替えるのは簡単です。Windowsアプリでは、メイン画面にキルスイッチのチェックボックスがあるので、設定を開かなくてもオンにできます。macOSアプリでは、設定画面でOpenVPNの設定からトグルを切り替えられます。
WindowsとAndroidではすべてのプロトコルがキルスイッチに対応していますが、macOSではOpenVPNのみとなっています
Androidでキルスイッチを有効にするには、Androidの高度な接続設定からオンにする必要があるので少し面倒です。IPVanishのアプリで「接続」タブを開くと、「Android OS kill switch」という項目があります。タップすると、有効にする方法を説明したポップアップが表示されます。説明に従って操作したところ、15秒で完了しました。
DNS・IPアドレスの漏洩対策:データの流出は検出されませんでした
IPVanishは全アプリでDNS・IPアドレスの漏洩対策を提供しており、テストで高性能であることが確認されました。DNSリクエストと実際のIPアドレスを隠せるので、ブラウジング状況や位置情報、個人情報を他人に知られません。これらの機能はデフォルトで有効なので、手動でオンにする必要はありません。
DNSとIPアドレスが漏洩していないか確認するため、6台のサーバー(アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、日本、フランス)に接続してipleak.netでテストを行いました。データの流出は検出されませんでした。
IPVanishはDNSとIPアドレスの漏洩を防ぎます
複数の高度なプロトコルから選べます
IPVanishは複数のプロトコルで強固なセキュリティ対策を実現しています。OpenVPN(TCPとUDP)、WireGuard、IKEv2、IPSec、L2TPから選べます。プロトコルによって通信速度とセキュリティが異なりますから、ニーズに合わせて選びましょう。デフォルトプロトコルはOpenVPN TCPで、設定メニューから変更できます。
- OpenVPN 安全性が高いプロトコルです。オープンソースなので、誰でもソースコードを検証・改善できます。TCPとUDPの2種類があります。テストで通信速度はほぼ同じでした。
- IKEv2 高速のプロトコルで、モバイル機器に適しています。自動接続できるので、モバイルネットワークとWi-Fiネットワークが切り替わっても安全を守れます。ただし、OpenVPNやWireGuardほど高速ではありません。
- WireGuard 比較的新しいプロトコルで、デフォルトプロトコルとして採用しているVPNがどんどん増えています。スピードとセキュリティのバランスが良いのが特徴です。長距離接続ではほかのプロトコルより高速でした。オープンソースなので安全であると自信を持てます。
- L2TP OpenVPNに対応していないモバイル機器におすすめのプロトコルです。古いPPTPプロトコルを改善するために設計されていますが、テストでは通信が一番遅いことが分かりました。
- IPSec 安全なプロトコルで、IPパケットを暗号化することによって安全に転送する枠組みが構築されています。主にセキュリティ対策のために使われていますが、スピードテストでは3番目に速いプロトコルでした。
まとめると、プロトコルはWireGuardがおすすめです。スピードテストの結果から、IPVanishは通信速度を妥協せず、強固なセキュリティ対策を実現していることが分かりました。
プライバシー:ログなし方針がありますが、懸念が残ります
9.4
IPVanishの公式サイトには明白なプライバシー方針が公開されていますが、プライバシー保護は最高とは言えません。FBIにデータを引き渡したことで物議を醸したことがあり、本社はプライバシー保護に有利とは言えないアメリカにあります。2016年のスキャンダル以来、プライバシー方針は変更されていますが、独立監査を受けたことはありませんから、ログを本当に記録していないか実証されたわけではありません。
IPVanishはログを記録していますか?いいえ
IPVanishはログなし方針を守っています。方針には、オンラインアクティビティ(閲覧したサイト、DNSクエリ、接続タイムスタンプなど)を収集・記録しないと明記されています。ただし、パフォーマンス改善のため、一部のデータが収集されるそうです。収集データは匿名化されるので、個人を特定することはできません。
IPVanishのプライバシー方針は透明性がありますが、監査は受けていないので本当に順守しているか知るすべはありません
収集データには、ユーザーの言語設定やデバイスの機種、UI操作、国、セッションの長さなどが含まれます。残念ながら、IPVanishは第三者機関の監査を受けていませんから、懸念が残ります。第三者機関が監査しなければ、ログなし方針を本当に守っているか分からないのです。
また、登録する際にメールアドレス、氏名、支払い情報を入力しなければなりません。また、仮想通貨決済に対応していないので、匿名で支払うことはできません。
所有会社と本社の所在地:5・9・14アイズ同盟の加盟国
IPVanishのプライバシーについてもう1つ気になるのは、14アイズ同盟の中心であるアメリカに本社があることです。14アイズ同盟とは、国民に関するデータを加盟国間で共有する国際的な監視ネットワークのことで、加盟国は、データの引き渡しを第三者機関に要求することもできます。
実際、2016年にFBIがIPVanishにユーザーデータの引き渡しを要求したとき、IPVanishがユーザーログを収集していることが明らかになりました。FBIは犯罪捜査を行っていたのですが、2回目の要請で応じてしまったのです。
現在、IPVanishはZiff Davis(旧:J2 Global)という別の企業に所有されており、スキャンダル以来、何度もプライバシー方針を改めています。Ziff Davisは、サイバーセキュリティやデジタルサービス関連の子会社(StrongVPNやEncrypt.meなど)を持つグループ企業です。
テストで、IPVanishのセキュリティ機能は堅固で信頼性が高いことが分かりましたが、過去の事例と本社がアメリカにあるのも心配です。とは言え、プライバシーに関するスキャンダルはずいぶん前に起きたことで、それ以来、所有会社は2回も変わっており、そのたびにプライバシー方針が改訂されています。似たようなスキャンダルは再発していません。
利用者のプライバシーをきちんと守っていることを証明するため、IPVanishのプライバシー方針は第三者機関の監査を受けるべきでしょう。残念ながら、ログを記録していないと主張していたのに、実際は記録していたことが実証されたことがありますから、ログなし方針は信用できません。プライバシー保護の観点では、IPVanishより信用できるVPNは他にあります。
トレント:全サーバーでP2P共有が可能
9.6
全サーバーがP2Pファイル共有に対応していますから、IPVanishはトレントにおすすめです。また、帯域とデータ通信量は無制限なので、思う存分、トレントをダウンロードできます。
トレントを行う際はVPNを使いましょう。ネット上で個人情報と位置情報を隠し、データを暗号化することで、悪意のある人物から身を守れます。VPNとの接続が途切れても安全を確保できるよう、キルスイッチをオンにするのも忘れずに。
テストでは、アメリカ、イギリス、ニュージーランドのサーバーに接続してuTorrentで映画をダウンロードしました。ニュージーランドのサーバーで映画「メーベルの窮境」のトレントファイルをダウンロードしたところ、平均速度は1.3Mb/秒で、2分以下でダウンロードが完了しました。ファイルは700MBだったので、かなり高速ですね。ただし、より多くのシーダーを見つけるのに便利なポートフォワーディング機能はありません。
IPVanishの全サーバーがトレントに対応しています
なお、トレントのダウンロード速度は、通信速度とVPNではなく、割り当てられているシーダー数とリーチャー数によって左右されます。トレント中に安全を守るその他の機能として、IPv6の保護、DNS漏洩対策、ログなし方針などが挙げられます。
IPVanishはSOCKS5プロキシも提供しており、SOCKS5サーバーは25か所以上にあります。BitTorrentクライアントで手動設定すると、IPアドレスを隠すことができます。通信は暗号化されませんから、より高速でファイルをダウンロードできます。シドニーのプロキシアドレスを使ったところ、普通のVPNサーバーより25%高速でした。
プロキシサーバーは高速ですが、データは暗号化されないのでVPNほど安全ではありません。利用可能なSOCKS5プロキシアドレスはIPVanishのダッシュボードで閲覧でき、公式サイトには設定ガイドが用意されています。
なお、多くのTorrentは著作権法の対象です。違法行為は絶対にいけません。Torrentを開始する前にお住まいの地域の規則を確認し、著作権のあるコンテンツをダウンロードしないよう十分注意してください。また、IPVanishの利用規約は、著作権で保護された素材をダウンロードしたことが発見された場合はアカウントを停止するとしています。
IPVanishは中国で使えますか?いいえ
IPVanishは中国で使えません。中国ではIPVanishのサーバーとIPアドレスはすべてブロックされており、IPVanishのホームページにもアクセスできません。「Scramble」という難読化ツールはありますが、中国などの検閲国家でVPNを利用するためには役立ちません。このことはカスタマーサポートに確認済みです。
中国で確実に使えるVPNは他にありますから、そちらをご検討ください。
インストール・アプリ
9.0
IPVanishのアプリは使いやすいですが、あまりきれいではありません。OSによってデザインが少し違うので、デバイスごとに使い方が若干異なるのです。とは言え、アプリはそれぞれ使いやすく、設定もしやすいでしょう。初めてでも上級ユーザーでも、使いこなせると思います。
設定は複数のタブに整理されています。最適なサーバー地点に自動接続するならクイックコネクト(Quick Connect)、サーバーを手動で選ぶならサーバー一覧(Server List)を開きましょう。サーバーを選びやすいように、絞り込みオプションもあります。右側の星マークをクリックすると、お気に入りに保存することも可能です。さらに、サーバー一覧タブではインタラクティブな地図からサーバーを選ぶこともできます。
ニーズに合ったサーバーを絞り込めます
設定メニュー(macOSではPreferences)では、セキュリティプロトコルの選択、OpenVPNのスクランブル機能の切り替え、DNS・IP漏洩対策の有効化が行えます。起動時にIPVanishがどのように接続するか設定でき、サーバー地点または通信速度をもとにカスタマイズできる自動接続機能もあります。
設定メニューはMacとWindowsで異なりますが、どちらも使いやすいでしょう
設定画面には診断(Diagnostics)タブもあり、接続障害が発生した場合、診断ログを入手できます。ログの内容が分からなくても、サポートに送信して素早く解決できます。
IPVanishのアプリは複雑ではありませんが、シンプルで少し時代遅れのデザインだと思います。すっきりしたモダンなデザインのVPNもありますが、好みの問題ですね。まとめると、アプリはデバイスによってナビゲーションが異なりますが、使いやすいと思います。
デバイスでIPVanishを体験しましょう
対応機器:ほとんどのデバイスで利用可能
IPVanishはWindows、macOS、iOS、Android、Amazon FireStick向けのネイティブアプリを提供しています。Chrome OS用アプリもありますが、Play StoreからAndroidアプリをインストールできるChrome OSデバイスでなければ使えません。残念ながら、ネイティブアプリに対応していないデバイスでVPNを使いやすくする「スマートDNSサービス」はありません。
IPVanishをルーターに設定すれば、LinuxやRoku、ゲーム機、Raspberry Piでも使えます。ルーターに設定すれば、自宅のデバイスをまとめて保護できるのでおすすめです。Linuxでは、OpenVPNを介してデバイス上でVPNを手動設定できます(IPVanishの公式サイトの設定ガイドが参考になります)。
各OSのアプリについてざっと見ていきましょう。
- Windows Windows 7 SP1以降で使えます。LANの制限、OpenVPN Scramble、キルスイッチ、IPv6漏洩対策など、セキュリティ機能が充実しています。プロトコルの種類も多く、OpenVPNやWireGuard、IKEv2、PPTP、L2TP、SSTPから選べます。Windowsアプリでは、暗号化レベルをAES 256ビットから128ビットに変更し、Scramble機能を有効にすることもできます。言語も変更でき、音声読み上げも有効にできるので、アクセシビリティの観点で良いですね。
- macOS macOS 10.13以降で使えます。キルスイッチ、OpenVPN Scramble、最速のサーバーに接続するのに役立つAPI負荷分散が備わっていますが、AES 256ビット暗号化を低いレベルに変更することはできません。プロトコルはOpenVPN、WireGuard、IKEv2、IPSec、L2TPが利用できます。IPVanishのプライベートDNSまたはサードパーティのDNSを選ぶことも可能です。
- Android Android 5.1以降に対応しています。キルスイッチ、API負荷分散、OpenVPN Scramble、AES 256ビット暗号化などが利用できます。どの通信をVPNに経由させるか選べる「スプリットトンネル」もあります。デフォルトプロトコルはWireGuardですが、OpenVPNとIKEv2にも対応しています。
残念ながら、Androidアプリではサーバーをお気に入りに保存できません
- iOS iOS 11以降のデバイスにインストールできます。キルスイッチとスプリットトンネル機能がないのは残念ですが、自動接続機能とAPI負荷分散はあり、IPVanishのDNSまたはサードパーティのDNSを使うか選べます。暗号化はAES 256ビットのみで、使えるプロトコルも他のアプリより少なめです(WireGuard、IKEv2、IPSec、L2TP)。
- Amazon Fire TV Fire TV Stickの第2世代以降で使えます。OpenVPN Scramble機能、スプリットトンネル、AES 256ビット暗号化が備わっています。プロトコルはOpenVPNとWireGuardの2つだけで、Amazon App Storeからデバイスに直接ダウンロードできます。
- Chrome OS Google Play StoreのAndroidアプリが使えるChromeデバイスであれば、Chrome OS用アプリを使えます。プロトコルはL2TPとOpenVPNが利用可能です。Windowsアプリと同様に、暗号化レベルをAES 256ビットから128ビットに変更できます。
- ルーター IPVanishの公式サイトでは設定済みのFlashRouterが販売されていますが、自宅のルーターがVPNに対応していれば、手動で設定することも可能です。DD-WRT、Tomato、ASUSWRT、ASUSWRT-Merlinのルーターであれば、設定できます。ルーター用VPNはOpenVPNプロトコルに対応しており、暗号化は軍レベルのAES 256ビットです。
あなたのデバイスでIPVanishを体験しましょう
接続台数:無制限
IPVanishがコスパ抜群なのは、デバイスを何台でも接続できるからです。家族全員がそれぞれ1台以上のデバイスを持っている場合におすすめですね。IPVanishのサブスクリプションが1つあれば、すべてのデバイスを保護できますから、大家族にぴったりでしょう。
試しにWindowsのノートパソコン、MacBook Pro、スマホ、Androidのタブレットを接続してNetflixを視聴しました。多数のデバイスを同時に接続しても通信速度の低下は感じられませんでした。動画をHD画質で見ることができ、画質が落ちることもありませんでした。VPNの接続台数の業界平均は5台ですから、台数を制限していないIPVanishは他社より一歩先を行っています。
設定とインストール:とても簡単
IPVanishのアプリは専門知識がなくても簡単にダウンロード・インストールできます。ルーターにインストールするのは難易度が高めですが、分かりやすいステップバイステップガイドが用意されていますし、カスタマーサポートにいつでも質問できます。
MacBook Proに1分以内でインストールできました。まず、公式サイトの画面上部で「Apps」をクリックし、macOSアプリのダウンロードボタンをクリックしました。アプリを開き、ログイン情報を入力するだけで使い始めることができました。Windowsアプリも手順は同じで、スマホにも容易にインストールできます。唯一の違いは、モバイルアプリはPlay Store(Android)またはApp Store(iOS)からインストールすることだけです。Chrome OS用アプリはPlay Storeから入手する必要がありますから、インストール方法はAndroidアプリと似ています。
Amazon Fire TVアプリのインストール方法は、モバイルと似ています。Fire TV・FireStickを起動し、リモコンのホームボタンを押します。虫眼鏡のような検索アイコンが表示されるので、検索欄に「IPVanish」と入力し、アプリを選択してダウンロードをクリックします。ダウンロードが完了したら「開く」を押すだけです。
Linuxとルーターのインストール作業はやや複雑です。Linux用のネイティブアプリはありませんから、OpenVPN経由でインストールする必要がありますが、IPVanishの公式サイトのガイドを参考にすればうまくいくはずです。ルーターの場合、IPVanishがご自宅のルーターに対応しているかチェックしなければなりません(ホームページで確認できます)。手動設定する時間がない場合、VPNが設定済みのFlashRouterを購入すると良いでしょう(料金は高めですが)。
【クイックガイド】3ステップで簡単にIPVanishをインストールする方法
- プランを選びます。IPVanishの公式サイトにアクセスし、料金プランを選びましょう。アカウント登録は公式サイトで行ってください。返金してもらいたい場合、サードパーティのアプリストアから手続きを行わなくて済みます。
- アプリをインストールします。お使いのデバイスにアプリをダウンロードし、画面の指示に従ってインストールしましょう。アカウント登録で設定したログイン情報を入力し、ログインします。
- 安全にブラウジングをお楽しみください!ワンクリックでサーバーに接続したら、安心してインターネットを利用できます。