ExpressVPNとNordVPNを比較しても、どちらかを選ぶのは難しいというレビューを多く見かけます。確かに、業界最大手のVPNサービスですから、どちらを選んでも失敗することはありません。とは言え、ExpressVPNとNordVPNには決定的な違いがあります。
この記事では、速度、ストリーミングやトレント、ゲームをする際の性能、カスタマーサポートなどの観点からExpressVPNとNordVPNを徹底的に比較しました。各プランで使える機能、料金、隠れたコストも比べました。プライバシーポリシーやユーザーデータの取り扱いに関する実績も評価の対象です。
結論から言うと、両方とも高速で使いやすく、大半のストリーミングサービスにアクセスできます。しかし、オンラインプライバシーを守りたい場合はExpressVPNのほうがおすすめです。
NordVPNも悪くありませんが、サーバーの設置箇所はExpressVPNより少ないですし、アクセスできないストリーミングサービスもあります。最近、プライバシーポリシーが改訂されたのも気になります。
では、ExpressVPNとNordVPNを詳しく比較しましょう!
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ExpressVPN |
NordVPN |
⭐ 総合評価 |
当社のスコア:9.87/10
www.ExpressVPN.com |
当社のスコア:9.37/10
www.NordVPN.com |
💲 最低価格(月額) |
$4.99/月(1年プラン。契約が無料で3ヶ月延長されます) |
$2.99/月(最初の2年間のみ) |
🗓️ 更新料金 |
$99.95/年 |
$99.48/年
(変更されることがあります) |
🤑 クーポン |
ExpressVPNが82%オフ(15ヶ月プラン) |
NordVPNが45%オフ(20ヶ月プラン) |
💸 返金保証 |
30日間 |
30日間 |
📺 ストリーミング・ブロック解除 |
Netflix、Hulu、Disney+、Amazonプライムビデオなどにアクセス可能 |
大半のストリーミングサービスにアクセス可能。通信が遅くなることがあります |
🌍 VPNサーバー |
105か国3,000に台のサーバー。日本のサーバーあり |
111か国に6,700台のサーバー。日本のサーバーあり |
⚡ 速度 |
2%の速度低下。4K画質でストリーミングできます |
14%の速度低下 |
🎮 ゲーム時の性能 |
ゲームに適した速度とPing値 |
近距離サーバーでは低Pingですが、長距離接続ではラグが発生することも |
🧑🤝 P2Pファイル共有 |
全サーバーで可能 |
一部のサーバーしかトレントに最適化されていません |
🔐 セキュリティプロトコル |
Lightway、OpenVPN、IPSec/IKEv2、IPSec/L2TP |
NordLynx(WireGuard)、OpenVPN、IPSec/IKEv2、IPSec/L2TP |
🔌 キルスイッチ |
あり |
あり |
✅ IPアドレス・DNSの漏洩防止機能 |
あり |
あり |
🏢 本拠地 |
英国領ヴァージン諸島 |
パナマ |
⚠️ ログの保存 |
保存していません |
保存している可能性があります |
中国での利用 |
可能 |
可能 |
#️⃣ 接続台数 |
8台 |
10台 |
💻 対応機器 |
Windows、Mac、iOS、Android、Linux、Chrome、Firefox、Edge ルーター専用アプリも |
Windows、Mac、iOS、Android、Linux、Chrome、Firefox、Edge |
アプリは日本語に対応 |
〇 |
〇(macOS、iOS、Android) |
🔧 カスタマーサポート |
日本語のライブチャット(24時間年中無休)、知識ベース、よくある質問集、およびメールサポート |
24時間年中無休のライブチャット、知識ベース、よくある質問集、メールサポート(後者は日本語に対応) |
ExpressVPNの特徴について詳しくはこちら!
ストリーミング中の性能とNetflixへのアクセス:わずかの差でExpressVPNの勝ち
動画配信サービスのブロックを解除し、ドラマや映画を見たい場合、ExpressVPNとNordVPNは両方とも役立ちます。ただ、NordVPNはアメリカ版Netflixのブロックを解除できないことがあり、AmazonプライムビデオやHBO Maxなどの動画配信サービスにアクセスできないサーバーがありました。
とは言え、アクセス可能なサーバーについてカスタマーサポートに問い合わせると、適切なサーバーを教えてもらえます。サポート担当者に推奨されたサーバーに接続したところ、問題なくアクセスできるようになりました。
動画配信サービス |
ExpressVPN |
NordVPN |
Netflix |
✅ アクセス可能。日本、アメリカ、イギリス、カナダ、韓国、スイスなど、人気のNetflixライブラリを見られます |
☑️ アクセス可能。ただし、確実にアクセスできないライブラリもあります |
Disney+ |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
ESPN |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
HBO Max |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
Hulu |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
Sky |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
Amazonプライムビデオ |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
BBC iPlayer |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
ABC |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
CBS |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
NBC |
✅ アクセス可能 |
✅ アクセス可能 |
ExpressVPNとNordVPNを使えばほとんどの動画配信サービスにアクセスでき、通信もHD・4K画質でストリーミングするのに十分な速さですが、ExpressVPNのほうが高速でした。20か国以上のNetflixライブラリにアクセスでき、再生が止まったりバッファしたりせず、快適に見られました。Abema TVやTVer、GYAO!など、日本の動画サービスにもアクセスできます。
ExpressVPNを使えば、旅行中もアメリカ版Netflixの新リリースをすぐに見られるようになります
NordVPNは動画の読み込みが遅いことがあります。遠いサーバーに接続すると、バッファすることがあったのです(ExpressVPNは一度もバッファしませんでした)。また、NordVPNはジオブロックを解除できないことがあります。
NordVPNを使ったところ、バッファなしでアメリカ版NetflixでNCISを見られました
ExpressVPNとNordVPNは両方とも「スマートDNS」を提供しています。これは、VPN非対応機器でも世界中のコンテンツをストリーミングできるようにする機能です。スマートDNSサービスは実際の位置情報を隠すため、地域制限を解除できますが、VPNとは違い、通信は暗号化されません。
ExpressVPNのMediaStreamer機能は、VPNに対応していないさまざまなデバイスで使えます。幅広いデバイス向けにスマートDNSの設定ガイドが用意されているのはとても親切です。LG TV、Apple TV、PlayStation、ルーター、Windows, Amazon Fire TV、ニンテンドースイッチなどへの設定方法が分かりやすく説明されています。
NordVPNも、ExpressVPNのMediaStreamerと同じようなスマートDNS機能があります。しかし、LG製テレビとApple TVの設定ガイドしか見つかりませんでした。ほかのデバイス向けのDNSサーバーアドレスは2つだけで、設定方法を調べなければなりませんでした。
NordVPNは「SmartPlay」という機能もあります。スマートDNSとVPNの暗号化を組み合わせたものです。ただし、この機能はNordVPNのアプリでしか使えませんから、デバイスがVPNに対応していない場合は通常のスマートDNSを設定しなければなりません。
優勝
NordVPNとExpressVPNはどちらも4K画質でストリーミングするのに適したVPNサービスです。バッファなしで快適に動画を見られます。しかし、ExpressVPNのほうがわずかに高速で、遅延なくUHD画質でドラマや映画、スポーツの生中継を見られます。さらに、ExpressVPNのMediaStreamer機能を使うと、XboxやAmazon Fire TVなど、あらゆるデバイスで米国や英国などの海外コンテンツを見られるようになります。
サーバーネットワーク:国数はExpressVPNのほうが50%多い
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ExpressVPN |
NordVPN |
サーバー設置国 |
105か国 |
111か国 |
サーバー数 |
3,000台以上 |
6,700台 |
サーバー台数はNordVPNのほうが多いものの、ヨーロッパと北米のサーバーが大多数を占めます。一方、ExpressVPNのサーバーは世界中に分散されていますから、ヨーロッパや北米だけでなく、南米やアジア、アフリカのサーバーも使えます。
NordVPNのサーバーがある国に住んでいて、アメリカ版やイギリス版Netflixなど一部の動画ライブラリにアクセスしたい場合はどちらを選んでもOKです。しかし、ExpressVPNがサーバーを設置している34か国のコンテンツを楽しみたい場合、あるいはより幅広い地域限定コンテンツやサービスにアクセスしたい場合、ExpressVPNのほうが確実です。
「サーバー数が多いほど回線混雑が起きにくく、より高速な通信が期待できる」というのは一般論であり、スピードテストに反映されないことがほとんどです。スピードテストの結果は次のセクションでご覧になれますが、今回の比較ではNordVPNよりExpressVPNのほうがわずかに速いことが分かっています。
優勝
ExpressVPNのサーバーは105か国に分散されているため、好きなコンテンツを見られます。NordVPNのサーバーは主にヨーロッパと北米に位置しています。
速度:ExpressVPNのほうがNordVPNよりわずかに高速
ExpressVPNとNordVPNは両方とも速度が業界トップクラスのVPNですが、どちらのほうが速いか決着をつけましょう。アメリカやイギリス、香港など、世界各国のサーバーに接続してスピードテストを行いました。
まず、VPNに接続していない状態で基準値を算出します。平均ダウンロード速度と平均アップロード速度はそれぞれで55.06Mbpsと71.73Mbpsでした。結果から言うと、各VPNの独自プロトコルを使うと最速であることが分かりました(ExpressVPNはLightway、NordVPNはNordLynx)。
ExpressVPNのLightwayプロトコルで「最適なサーバー」に接続したところ、速度は1.4%しか低下しませんでした
NordVPNも期待を裏切りませんでした。NordLynxプロトコルで「最適なサーバー」に接続すると、速度は14.43%しか低下しませんでした
両方とも非常に高速です。速度はほとんど低下しませんから、遅いと感じることはありません。一般的に、VPNを使うと通信は20%程度遅くなりますから、素晴らしい結果です。とは言え、ExpressVPNのほうがわずかに高速で、ストリーミングとトレントに適しています。
スピードテスト |
ExpressVPNの平均ダウンロード速度 |
NordVPNの平均ダウンロード速度 |
ExpressVPNの平均アップロード速度 |
NordVPNの平均アップロード速度 |
アメリカサーバーに接続 |
53.30 Mbps |
41.39 Mbps |
83.44 Mbps |
56.29 Mbps |
イギリスサーバーに接続 |
58.20 Mbps |
47.62 Mbps |
50.24 Mbps |
73.29 Mbps |
香港サーバーに接続 |
55.34 Mbps |
55.56 Mbps |
82.19 Mbps |
68.49 Mbps |
引き分け
/
ExpressVPNとNordVPNのダウンロード速度は、UHD画質で動画を見るのに必要な25Mbps以上であることが確認できました。差はほんのわずかで、決定的な勝者は出ませんでしたが、ダウンロード速度とアップロード速度はExpressVPNのほうが安定して速いことが分かりました。
ゲーム時の性能:ExpressVPNならラグなしで遊べる
ゲーム時のパフォーマンスを把握するには、平均速度ではなく、Ping値に注目する必要があります。Pingが低ければ低いほど有利で、100ミリ秒以下が理想です。ペースの速いFPSゲーム中にスピードテストを行ったところ、ExpressVPNを使用中にラグは一切発生しませんでした。
ただ、NordVPNもExpressVPNも、香港などの長距離サーバーはPing値が高すぎて、オンラインゲームには向きません。
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ExpressVPN (Lightway) |
NordVPN (NordLynx) |
クイック接続 |
61ミリ秒 |
12ミリ秒 |
アメリカのサーバーに接続 |
107ミリ秒 |
295ミリ秒 |
イギリスのサーバーに接続 |
50ミリ秒 |
147ミリ秒 |
香港のサーバーに接続 |
270ミリ秒 |
338ミリ秒 |
Ping値が一番低かったのはNordVPNで「最適なサーバー」に接続したときでしたが(12ミリ秒)、英国サーバーでカウンターストライクをプレイ中、遅延が発生してしまいました。ExpressVPNのほうが高パフォーマンスで、動きもスムーズでした。
ExpressVPNを使うと、低PingでFPSゲームを楽しめました
優勝
ExpressVPNの近距離サーバーと米国・英国サーバーはPingが低く、ペースの速いFPSに向いています。NordVPNの場合、「クイック接続」で接続すると最速の回線でゲームをプレイできたものの、ほかの国のサーバーはPing値が高くなってしまいました。
安全性:NordVPNのほうが多機能
セキュリティの観点ではNordVPNのほうが優れています。特殊なセキュリティサーバーや広告・マルウェアブロッカー、専用IPアドレスなどが用意されています。ExpressVPNはこのような特徴はありません。とは言え、ExpressVPNも安全性の高いVPNサービスで、データの盗聴やハッキングをしっかり防げます。
セキュリティ機能 |
ExpressVPN |
NordVPN |
暗号化水準 |
AES-256-GCMと4096ビットDH鍵、SHA-512 HMAC認証 |
AES-256-GCMと4096ビットDH鍵、SHA2-384 HMAC認証 |
キルスイッチ |
すべてのOSで利用可能。iOSデバイスで有効にする場合はLightwayプロトコルを使います |
すべてのOSで利用可能。 |
DNS・IPアドレスの漏洩対策 |
あり |
あり |
プロトコル |
OpenVPN UDP、OpenVPN TCP、IPSec/IKEv2、IPSec/L2TP、Lightway(独自プロトコル) |
OpenVPN UDP、OpenVPN TCP、IPSec/IKEv2、IPSec/L2TP、NordLynx(WireGuard) |
スプリットトンネリング |
あり |
あり |
プライベートDNSサーバー |
あり |
あり |
TorオーバーVPNサーバー |
あり |
あり |
RAMのみで実行されるサーバー(データが消去されます) |
あり |
あり |
広告・マルウェアブロッカー |
なし。「Threat Manager」機能があります |
あり |
ダブルホップサーバー |
なし |
あり |
専用IPアドレス |
なし |
あり |
難読化技術(VPN通信を通常の通信に見せかける機能) |
あり |
あり |
OpenVPNやIP/Sec、L2TP、IKEv2をはじめとする標準的なプロトコルのほかに、ExpressVPNとNordVPNはそれぞれ、独自の次世代プロトコルを提供しています。NordVPNのNordLynx(ノードリンクス)プロトコルはWireGuardを基盤に構築されたもので、ExpressVPNのLightway(ライトウェイ)プロトコルはNordLynxと同じくらい高リスの良い暗号化ライブラリを採用しています。
NordLynxとLightwayはどちらもOpenVPNよりはるかに高性能で、速度はほぼ同じでした。とは言え、ソースコードはLightwayのほうがコンパクトで、モバイル機器でバッテリー消費を抑えるように設計されていますから、その点ではNordLynxより優れています。
ExpressVPNとNordVPNは、大手セキュリティ企業も採用している最高レベルの暗号化標準「AES 256ビット暗号化」で通信を守っています。しかし、ExpressVPNの暗号鍵のほうが長いので(4,096ビット。NordVPNは2,048ビット)、部外者に解読されるリスクがさらに低くなっています。ExpressVPNは、セキュリティ設定画面に各プロトコルの簡単な説明が表示されるのも好印象です。プロトコルを選ぶ際に参考になりました。一方、NordVPNはプロトコルの説明がありません。
ExpressVPNの場合、セキュリティプロトコルの説明が表示されるので、防御レベルを選びやすいと思います
サーバーセキュリティについて、NordVPNは、1台ではなく2台のVPNサーバーにネット通信を送って二重に暗号化するDouble Hop(ダブルホップ)機能があります。しかし、両方とも「オニオンオーバーVPN」がありますから、Torネットワークを介して多重暗号化をすることも可能です。なお、ダブルホップまたはオニオンオーバーVPNを使うと機密データをしっかり守れますが、速度は大幅に低下します。
ExpressVPNとNordVPNは、難読化サーバーを提供しています。難読化サーバーに接続すると、VPN通信を通常の通信に見せかけられるので、ディープパケットインスペクション(DPI)を回避できるようになります。厳しい地域制限を突破するのに役立つだけでなく、オンラインプライバシーを強化するためにも効果的です。
NordVPNで難読化サーバーに接続するには、設定画面で「自動接続」をクリックし、「カスタム」の隣のドロップダウンメニューで「難読化サーバー」を選びましょう。OpenVPNプロトコルが選択されていることを確認してください。ExpressVPNは、DPIが検出されると難読化を自動的にオンにしてくれるので、設定は変えなくてOKです。
ExpressVPNとNordVPNはどちらも、全サーバーがRAMのみで実行されています。サーバーが再起動されるたびにすべてのデータが消去されるわけです。ExpressVPNはこれを「Trusted Serverテクノロジー」と呼んでいますが、NordVPNは特に名前を付けていません。データは長期間保存されないため、サードパーティの手に渡りにくくなります。
ExpressVPNとNordVPNはキルスイッチとDNS・IPアドレスの漏洩対策があり、データが不意に流出してしまうのを確実に防げます。「キルスイッチ」とは、VPN接続が切れた場合にネット通信を遮断する機能のことです。「DNS・IPアドレスの漏洩対策」はDNSリクエストと実際の位置情報(IPアドレス)が部外者に知られてしまうのを防ぎます。NordVPNは2種類のキルスイッチがあります。1つは指定したアプリの通信だけ停止するもので、もう1つはデバイス全体のネット通信を遮断するものです。
ExpressVPNにはないNordVPNの重要な機能の1つとして、広告・マルウェアブロッカー「CyberSec」が挙げられます。迷惑な広告をブロックし、マルウェアが潜むサイトにアクセスしようとしたときに警告してくれます。ExpressVPNは最近、トラッカーと悪質なサイトをブロックするThreat Manager(脅威マネージャー)という新機能をリリースしましたが、広告やマルウェアはブロックされません。
NordVPNは、ダウンロードしたファイルに対してマルウェアスキャンを自動的に行う「ダウンロードスキャナ」機能もあります。また、ダークウェブ上に個人情報が流出されていないか継続的にスキャンする「Dark Web Monitor」は、個人情報の悪用を防ぐのに効果的です。
NordVPNは幅広いセキュリティ設定があり、ネット上で常に安全を守れます
ExpressVPNとNordVPNは、デバイス起動時にサーバーに自動接続するよう設定があるので、デバイスをいつも安全に保てます。また、暗号化処理の際に、定期的に暗号パケットをスクランブリングする(ごちゃごちゃにする)ことで、反復データがパターン化するのを防ぎます。
優勝
ExpressVPNとNordVPNはどちらも、ネット上で安全を確保し、プライバシーを守るのにおすすめです。しかし、セキュリティ機能はNordVPNのほうが充実しています。広告ブロッカーやDouble VPNなどがありますし、NordVPNなら専用IPアドレスを取得できます。企業ネットワークに安全に遠隔アクセスする際に役立ちます。
プライバシー:ExpressVPNはプライバシーを守りますが、NordVPNは疑問も
最近まで「ネット上でプライバシーを常に守るにはExpressVPNとNordVPNはどちらもおすすめ」と言えました。両方とも、プライバシー保護に適した国に本社がありますし、厳格なノーログポリシーはPwCの独立監査済みだからです。
しかし、最近、NordVPNのプライバシーポリシーが改定され、その内容が気になります。以前はユーザーデータを一切保存せず、当局と共有することもないと主張していました。しかし、現在の方針では、国際的な法律と規則に従って要求された場合に限り、データを記録し、他国政府と共有すると書かれています。NordVPNの本拠地は機密情報の共有を合意した5・9・14アイズ同盟に非加盟のパナマであるにもかかわらず、です。
一方、ExpressVPNはユーザーのプライバシーを脅かしたことは一度もありません。本拠地は英国領ヴァージン諸島で、ExpressVPNは、ユーザーのプライベート情報を一切収集、保存しないと明記したノーログポリシーを守っています。
数年前にトルコ政府がExpressVPNのサーバーを差し押さえた際も、サーバー上にデータは一切なく、ExpressVPNがノーログポリシーを守っていることが実証されました。
ExpressVPNとNordVPNに加入する際は、氏名とメールアドレス、支払い情報を入力する必要があります。メールアドレスを知られたくない場合、使い捨てメールアドレスで加入すればプライバシーを強化できます。両方とも、匿名性の高い仮想通貨での支払いにも対応しています。NordVPNは8種類の仮想通貨で支払えるのに対して、ExpressVPNは2種類にしか対応していません。
優勝
NordVPNはユーザーデータの記録・共有に関する方針が曖昧なので、プライバシーの観点ではExpressVPNのほうが良いでしょう。
中国での利用:ExpressVPNのほうが確実
ExpressVPNとNordVPNはどちらも中国で使えますが、ExpressVPNのほうが確実にサイトのアクセス制限を解除できます(FacebookやGoogle、YouTubeなど)。中国ではExpressVPNのホームページがブロックされているため、中国向けの代替サイトが用意されています。ただし、中国でVPNを使いたい場合は、入国前にダウンロードとインストールを済ませておくようにしましょう。
NordVPNの場合、中国で使えるように手動で設定しなければなりません。設定手順についてカスタマーサポートに問い合わせなければなりませんでした。CyberSec機能をオフにして、位置情報サービスを無効化するなど、手間がかかりました。
優勝
中国ではExpressVPNのほうがおすすめです。失敗の余地が少なく、手動設定しなくても使えます。
インストールと使いやすさ:好みの問題
ExpressVPNのモバイルアプリとデスクトップアプリは、軽量で直感的に使いやすいデザインです。メイン画面に大きなオン・オフボタンがあり、ワンクリックで瞬時に接続できます。
「現在のロケーション」ボタンをクリックすると、新しいウィンドウにおすすめのサーバーが表示されます。ExpressVPNのサーバーがあるすべてのロケーションも見られます。また、「スマートロケーション」には最適なサーバー、「最近の接続先」には最近使ったサーバーが表示されます。
ExpressVPNなら、ストリーミングやウェブを安全に閲覧するのに最適なサーバーに簡単に接続できます
画面左上のハンバーガーメニューをクリックすると、設定が開きます。詳細設定を変えるには歯車アイコンをクリックしましょう。キルスイッチの切り替え、セキュリティプロトコルの変更、Threat Managerの有効化、アカウント設定の管理などを行えます。なお、ExpressVPNのアプリは日本語を含む16言語に対応しています。
NordVPNの場合、アプリを開くと世界地図上にサーバーロケーションが表示されます。地図上のマークをクリックすると、その地域のサーバーに接続されます。デスクトップアプリの左側には、全サーバーを表示するタブと3つの設定タブがあります。
モバイルアプリでは、画面下側にサーバー一覧と設定タブがあり、その上は世界地図になっています。デスクトップ版とモバイル版は両方も「クイック接続」ボタンがあるので、最適なサーバーに自動接続できます。
NordVPNはきれいな世界地図にサーバーの位置が表示され、好きな国のサーバーに接続できます
NordVPNの設定について、ショートカットを作成してVPN設定をカスタマイズすることが可能です。例えば、高速通信のショートカットを作成して、プロトコルやサーバーロケーション、サーバーの種類を指定するなどの使い方が考えられます。また、ダークウェブ上にデータが流出していないかスキャンする「Dark Web Monitor」をオンにしたり、VPNの利用状況を確認したりできます。
ExpressVPNとNordVPNはどちらも、すべての主要なOSに対応しています(Windows、Mac、Android、iOS、Linuxなど)。アプリをインストールしたところ、両方ともMacBook Proには30秒程度、スマホには20秒弱で完了しました。ルーターに手動でインストールすることもできますが、ExpressVPNはルーター専用アプリがありますから、Wi-Fiに接続されたすべてのデバイスをNordVPNより簡単に保護できます。
引き分け
/
どちらもすばやく設定でき、初心者でも簡単に使いこなせます。ただ、NordVPNは設定を変えたり、機能を有効にしたりするのが少しやりにくいと感じました。ルーターへのインストールも、ExpressVPNのほうがはるかに簡単です。
信頼性とサポート体制:どちらもカスタマーサポートは優秀
カスタマーサポートの特徴 |
ExpressVPN |
NordVPN |
24時間年中無休のチャットサポート |
あり。直ちに対応してくれます |
あり。ただし、質問は40文字まで |
メールサポート |
あり |
あり |
電話サポート |
なし |
なし |
ステップごとに解説した設定ガイド |
あり。動画チュートリアルも |
あり。動画チュートリアルも |
検索可能な知識ベース |
あり |
あり |
充実したよくある質問集 |
あり |
あり |
ExpressVPNとNordVPNのカスタマーサポートは素晴らしいでしょう。担当者が多く、知識も豊富で、すぐに対応してくれます。両方とも、ホームページから24時間年中無休のライブチャットで問い合わせると、すぐに疑問を解消できます。メールやサポートチケットでも質問でき、対応は迅速です。ホームページに掲載されている詳しいよくある質問集やブログ記事、動画ガイド、ハウツーガイドも参考になりました。
ライブチャットで質問したところ、どちらも1分以内に返答してくれました。担当者は親切で、経験豊富という印象を受けました。メールサポートについて、ExpressVPNのMediaStreamer機能のインストール方法について質問したところ、1時間53分で回答が届きました。一方、NordVPNに中国用サーバーのカスタマイズ方法について質問した結果、3時間37分で回答してくれました。
引き分け
/
どちらも24時間年中無休のチャットサポートがあり、検索可能な知識ベースに詳しいサポート記事が用意されています。インストール方法も動画で手順を追って解説していますし、メールにも4時間以下で回答してくれたので、引き分けです。
ExpressVPNとNordVPNの選び方
VPNサービスはさまざまな観点から比較できますから、ExpressVPNとNordVPNを選ぶのは簡単なことではありません。VPNが欲しい理由と好みで選ぶことになると思います。ここでは、2つのサービスを比較する際に検討した項目をご紹介します。選ぶ際のヒントになれば幸いです。
- ジオブロックを解除できる
海外旅行中にサブスクリプションサービスにアクセスしたい場合、地域制限を解除できるVPNが必要です。ExpressVPNとNordVPNの比較では、NetflixやAmazonプライムビデオ、BBC iPlayerなどさまざまな人気ストリーミングサービスにアクセスできるか検証しました。
- 高速
VPNは通信を暗号化してから遠隔のVPNサーバーに送信しますから、速度低下は避けられません。しかし、高品質VPNなら、遅いと感じることはないはずです。
- サーバーネットワーク
世界各国に多数のサーバーがあるVPNが良いでしょう。地域制限を回避しやすくなりますし、回線混雑が発生しにくいので、より高速な通信が期待できます。
- 揺るぎないセキュリティ機能
一流VPNはAES 256ビット暗号化だけでなく、キルスイッチや高度なセキュリティプロトコル、DNS・IPアドレスの漏洩防止機能などを提供していますから、ネット上で安全を確保できます。
- しっかりしたプライバシー体制
信用できるVPNは、厳格なノーログポリシーを守っているので、個人情報を収集、共有されないという安心感があります。
- 使いやすい
あなたが使っているデバイス用のアプリがあり、容易にインストールして使い始められるVPNを選びましょう。また、セキュリティ設定にアクセスしやすいか確認しましょう。
- 安心の返金保証
評判の良いVPNは料金が安いだけでなく、返金保証もありますから、気が変わった場合に払い戻しを受けられます。