中国におすすめのVPN 5選│安全で2025年も使える!
中国のインターネット規制は非常に厳しいため、たとえVPNを使っても普段使えるようなサイトが利用できないことが多いです。中国政府の「グレートファイアウォール(GFW、金盾)」の関係上、中国では様々なネットコンテンツに制限が掛かっていて、VPNの検出とブロックが常時行われています。評判の良いVPNでさえ動作不良が発生することがあります(中国で常に使えるよう頻繁な技術的アップデートが必要となるため)。
徹底検証の結果、中国で安定して繋がり安全にネットにアクセスできるものが見つかりました。VPNを評価するにあたって特に注目したのは、強力な難読化機能があるかどうか、データとプライバシーを保護できるかどうかです。また、特に中国に近い国にサーバーがあるかどうかを確認して、ネットワークのパフォーマンスを検証しました。大半のVPNは、中国で安定して作動するような技術または特殊サーバーを提供しておらず、基準を満たしていませんでした。
この記事でご紹介するVPNは難読化機能を搭載しており、DPI(ディープパケットインスペクション)技術を回避できます。ただし、中国の検閲環境の変化や通信速度、接続サーバーやその他の状況によって、パフォーマンスにはばらつきがある可能性があります。
中国におすすめのVPN — 完全分析 【2025年更新】
1. Astrill VPN — 最適化されたサーバーがあるので、中国で確実にサイトやアプリを使える

2025年9月に有効 リスクなしで30日間体験
注目ポイント | レイテンシと回線混雑を抑えるため、優先度の高い拠点にホスティングされているサーバーが利用可能 |
近隣のサーバー | 香港、ロシア、韓国、台湾、タイ、ベトナム |
セキュリティとプライバシー | 「Auto Clear Cookies」を有効にすると、VPNを有効にした際にブラウザとFlashのクッキーがすべて削除される |
対応サービス | Max、HBO Go Asia、Telegram、BBC iPlayer、Google、X(Twitter)、YouTube TV、WhatsApp など |
Astrill VPNは中国用の特殊サーバーがあり、中国で安全かつ簡単にアプリやサイトにアクセスできます。一般サーバーとは違い、中国用サーバーは厳しく制限された環境でも高速通信を実現するように最適化されています。検証では、検索バーに「China Supercharged」と入力すると中国用サーバーが見つかりました。また、Astrill VPNは中国周辺に多数の高速サーバーがあり、アメリカと香港には「Supercharged」という特殊サーバーも設置されています。
Astrill VPNの「StealthVPN」プロトコルはVPN接続を隠して、制限の厳しいネットワークでも動作するように設計されています。MTU値を調整して更に検出を困難にすることも可能です。また、検閲が厳しい国のDPI(ディープパケットインスペクション)技術を回避するために開発された「OpenWeb」プロトコルも利用できます。
通信速度に関しては最速のVPNではありませんが、高速ではあるのでAstrill VPNは大半のネット用途で問題なく使えます。通信を難読化する追加の処理が発生するため、ある程度の速度低下が予想されますが、Astrill VPNの独自プロトコル「OpenWeb」でタイサーバーに接続したところ、通信速度は27%しか低下しませんでした(接続前は112 Mbps)。とは言え、StealthVPNプロトコルでは速度低下が目立つかもしれません(特に遠くのサーバーに接続した場合)。

残念ながら、Astrill VPNのプランには返金保証が付いておらず実質無料プランはありませんが、友達を紹介すると無料の1日パスを獲得できます。また、Astrill VPNは「毎日のチェックイン」操作を実施すれば、毎日1時間の無料アクセスができると謡っているようです。
便利な機能
- プロキシが5種類ある。万が一中国でAstrill VPNが繋がらなくなった場合、HTTPS、SOCKS4a、SOCKS5などのプロキシが試せます。ただし、これらのプロキシは通信を暗号化しないため、最後の手段としてのみ使うことをおすすめします。
- ブラウザのみ、またはすべてのアプリを保護。OpenWebプロトコルを選ぶと、すべてのアプリまたはウェブブラウザのみを保護するようにAstrill VPNを設定できます。これは、DidiやWeChatなどの現地のアプリでは通常のネット通信を使用し、その他ブラウザ以外のアプリの通信速度を向上させたい場合に便利です。
- 接続をカスタマイズ。OpenVPNを使用すると、256ビット、192ビット、128ビットの暗号化から選択でき、暗号化を完全にオフにすることもできます。暗号化レベルを下げれば、セキュリティを犠牲にすることなく速度を上げることができます。ただし、中国ではオフにすることは推奨しません。
- 専用IPの取得。少額の追加料金が発生しますが、自分だけが使える専用IPアドレスを取得できます。専用IPでは、特に旅行中などに共有IPで多く発生するCAPTCHA認証を避けられます。
- OpenWebプロトコルが高速通信を実現
- プロキシ接続オプション
- セキュリティ機能をカスタマイズ可能
- 価格が高い
- Stealth VPNでは通信速度が大幅に低下
2. ExpressVPN — 自動的にVPN通信を隠し、中国で安定した接続を維持
注目ポイント | 全サーバーでVPN利用を自動的に隠せる |
近隣のサーバー | 香港、カザフスタン、マカオ、モンゴル、ミャンマー、ネパール、韓国、台湾、タイ、ベトナム |
セキュリティとプライバシー | 前方秘匿性が定期的に新たな暗号鍵を割り当て、セッションのセキュリティを確保 |
対応サービス | Netflix、Max、Facebook、WhatsApp、Google、Prime Video、HBO Go Asia、Snapchat、BBC iPlayer、YouTube TV、Yahoo など |
ExpressVPNはネットワーク制限を検出すると、難読化機能が作動してVPN通信を自動的に隠してくれるので、中国で安定して利用できます。そのため、どのネットワークやISPでもPeacock、Google、WhatsAppなどの人気サイトやアプリがスムーズに使えます。また、IPアドレスにフラグが立てられるとすぐに新しいIPアドレスに置き換えてくれるため安定してアクセスできます。なお、これらの機能は自動的に動作するため、手動設定は一切不要です。
通信の難読化が作動中も、ExpressVPNはどのサーバーでも非常に高速です。制限付きネットワークでExpressVPNの近距離サーバーに接続したところ、通信速度はわずか11%しか低下しませんでした(227.19Mbps)。一般的に、難読化は極端な速度低下が発生する傾向があるため、このスピードは素晴らしいです。また、iQIYIの『Fangs of Fortune』やNetflixの『STRAW』など、HD・4Kコンテンツを視聴してもバッファは発生しませんでした。

ExpressVPNはネットワークを厳しく監視しており、中国で確実に作動するサーバーの最新リストを頻繁に更新しています。アメリカ、イギリス、日本、フランス、シンガポールなど、接続が安定したサーバーの中から自由に選べます。なお、ExpressVPNは「自動プロトコル」を使うと難読化のパフォーマンスが最適化されると説明しています。また、アプリの「おすすめ」タブでは、中国の現在のネットワーク状況でスムーズに動作しそうなサーバーをおすすめしてくれるのも便利です。
中国で100%使えると保証するVPNは存在しませんが、ExpressVPNは最も信頼できるオプションの1つでしょう。ダウンタイムの報告は時々ありますが、接続トラブルは通常すぐに解決されています。さらに、すべてのExpressVPNプランには 30日間の返金保証が付いています*。ですから、金銭的なリスクなくサービスを気軽に試すことができ、満足できない場合は返金してもらえます。
便利な機能
- 中国のミラーサイトがある。ExpressVPNの公式サイトはグレートファイアウォールによってブロックされていますが、ExpressVPNは中国国内からアクセスできる「ミラーサイト」を持っています。ミラーサイトのURLはブロックを避けるために常に変更されていますので、カスタマーサポートにメールで最新のミラーアドレスを問い合わせるか、24時間年中無休のライブチャットで尋ねると良いでしょう。
- プライバシー重視。ExpressVPNは、データ保持に関する法律がなく、プライバシーに優しい司法管轄区であるイギリス領バージン諸島(BVI)に拠点を置いています。また、ユーザーのアクティビティを確実に守るため、厳格なノーログポリシーを採用しています(ノーログポリシーは複数回監査済み、そのうち2回はKPMGによる監査)。さらに、中国本土ではサーバーを運営していないため、政府からのユーザーデータの要求に応じる必要はありません。
- 高度なセキュリティ。通信データは軍事レベル256ビット暗号化で保護されるので、中国国内の未暗号化公共Wi-Fiネットワークでも安全に利用できます。さらに、IPv4、IPv6、DNS、WebRTCのデータ漏洩対策と、ネットワークロックキルスイッチを搭載していますので、実際の位置情報が公開される心配がありません。
- 高度な保護機能。ExpressVPNには、カスタマイズ可能なブロッカー機能があり、広告、マルウェア、トラッカーをブロックできますので、中国でより安全で邪魔なくブラウジングができます。なお、中国でアダルトサイトにアクセスすると法的トラブルに巻き込まれる可能性がありますが、「ペアレンタルコントロール」を有効にすれば、成人向けコンテンツをブロックできるので便利です。
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- 世界のプラットフォームに安定対応
- 業界をリードするプライバシー保護
- 他社VPNより高め
3. PrivateVPN — セキュリティ機能をカスタマイズして、中国での通信を最適化
注目ポイント | 暗号化レベルを調整して中国でのセキュリティと速度を調整できる |
近隣のサーバー | 香港、韓国、台湾、タイ、ベトナム |
セキュリティとプライバシー | IPv6・DNS・WebRTC漏えい対策とキルスイッチで機密情報の漏えいを防止 |
対応サービス | eNetflix、Max、Prime Video、Asana、HBO Go Asia、BBC iPlayer、Telegramなど |
PrivateVPNでは中国でセキュリティレベルと通信速度をバランス良く確保できます。例えば、暗号化レベルをAES 256-bitから128-bitに変更し、443番ポートを使って通信を行うように設定すると、厳しく制限されたネットワークでもセキュリティを確保できます。検証でPrivateVPNの暗号化レベルを128-bitに切り替えたところ、通信速度が向上しました。プロトコルの種類も選べます。例えば、L2TPはOpenVPNプロトコルよりも制限付きネットワーク上で通信が安定する傾向があります。

PrivateVPNの「StealthVPN」モードを有効にすると、VPN通信が通常のネット通信として偽装されるので、中国のDPIによる検出を回避できます。但し、ExpressVPNの自動難読化とは異なり、このモードは手動で有効にする必要があります。なお、制限が厳しいネットワークで利用する際には、PrivateVPNはOpenConnectアプリの使用を推奨しています(設定は簡単で、手順ガイドがあります)。
PrivateVPNのサーバーネットワークは、このランキングの他のVPNよりも規模が小さいため、中国近隣のサーバーの数は少なめです。ただし、ネットプロバイダーでネット通信量を増やす手続きをすることで、最低限の混雑は防げるかもしれません。これにより、サーバーが少ない場合によく起こる速度低下を抑えられる可能性があります。なお、PrivateVPNは全サーバーを自社所有しているのも評価できる点です(これによりユーザートラフィックに対する制御を強化できます)。
フルコミットする前にまずは試してみたいという方は、PrivateVPNの30日間の返金保証を活用すると良いでしょう。実際に返金してもらえるか筆者も試しましたが、簡単で手間なく、数日後には返金してもらえました。
便利な機能
- メールでのカスタマーサポート。PrivateVPNの公式サイトは中国でブロックされているため、中国からはライブチャットにはアクセスできませんが、メールサポートを受けることができます。筆者が試したところ、20分以内に返信がきました。なお、ライブチャットには翻訳機能が搭載されており、中国語ユーザーは母国語でサポートを受けられます。
- 使いやすい。「アドバンスドビュー」にすると細かなセキュリティ設定にアクセスできますが、「シンプルビュー」のままでも中国で接続を保護できます。サーバーを選択して、大きな電源ボタンを押すだけで完了です。VPN初心者の方でも簡単に使いこなせます。
- リモート技術サポート。中国で接続エラーやプロトコルの設定ミスが発生した場合、PrivateVPNの技術サポートにリモートログインしてもらい設定を代行してもらうことが可能です。サポート担当者が自動難読化設定を調整したりアクセストラブルを解決してくれます。
- P2Pファイル共有に役立つ
- とても手頃
- 制限されたネットワークで使える
- サーバーネットワークが小規模
- 通信速度が遅いことがある
4. TunnelBear — インターフェースが使いやすく、中国で簡単にオンラインデータを保護
注目ポイント | 各端末用アプリのインターフェースはほぼ同じなので、中国のどの端末でも操作がしやすい |
近隣のサーバー | 韓国、台湾、日本 |
セキュリティとプライバシー | 業界標準のOpenVPNや高速なWireGuardなど、複数のセキュアプロトコルを搭載 |
対応サービス | Netflix、Max、YouTube TV、Spotify、HBO Go Asia など |
TunnelBearのインターフェースはとてもシンプル、中国で最も使いやすいVPNの一つです。サーバーは地図から選択でき、サーバーを選択するとクマのキャラクターがあなたの場所から目的地まで進んで接続するのがかわいいです。中国は広大ですが、地図から一目で地理状況を把握でき、最寄りのサーバーを迅速に特定・接続できます。

クマがテーマの説明やだじゃれがあり、楽しく設定を進めることができます。Mac、Android、Windowsなど、どのデバイスにも2分以下でインストールできました。検証したところ、TunnelBearは特に短距離サーバーでの通信速度が速いことが分かりました。なお、「Fastest」トンネル機能を使うと自動的に最速サーバーに接続されます。通信速度は安定していて、速度低下率は28%でした。
TunnelBearには「GhostBear(難読化)」機能があり、制限されたネットワークでも検出されにくい信頼性の高いVPNです。この難読化機能を有効化するには、[設定(Settings)] > [接続(Connection)] > [GhostBear]の順に進みましょう。ただし、残念ながらiOSでは利用できませんのでご注意ください。なお、Wi-Fiを切り替える際は自動再接続が作動しますので、中国で移動中もVPN保護を維持できます。
欠点は、各プランに返金保証が付いていないことで、返金対応はケースバイケースとなっています(公式サイトに記載あり)。
便利な機能
- ネットワーク保護。既知のネットワークをセーフリストに追加し、未知のネットワークでのみ自動的にVPN保護を有効化できます。中国の公共Wi-Fiなど、セキュリティが低い環境でネット利用する際に便利な機能です。
- データ漏洩対策と「VigilantBear(キルスイッチ)」。両機能を試しましたが安定して動作し、IPアドレスや個人情報の漏洩を防げました。あなたの実際の位置情報などをしっかり保護します。
- Encrypted Client Hello(ECH)。これはDNSリクエストを暗号化して、中国などでTunnelBearにアクセスできる状態を保つ機能です(検閲国がサイトをブロックしにくくなります)。比較的古いESNI機能を基盤にしたもので、現在はAndroidで利用可能です。
- アプリが使いやすく、楽しい
- GhostBear設定が通信を難読化
- 無制限のデバイスを同時接続できる
- 返金保証なし
- 遠くのサーバーでは遅い
- 本拠地はカナダ
5. Private Internet Access (PIA) — 国内外の大規模なサーバーネットワークで、中国でも安定した接続を維持
注目ポイント | 中国用のサーバーを提供している数少ないVPN(仮想サーバーもあり) |
近隣のサーバー | 中国、香港、マカオ、モンゴル、台湾、ベトナム |
セキュリティとプライバシー | カスタマイズ可能なキルスイッチを搭載しており、ネットアクセスを遮断するタイミングを指定できる |
対応サービス | Netflix、Max、Messenger、YouTube TV、HBO Go Asia、The Financial
Times、Pinterest など |
Private Internet Access (PIA)は、この記事で紹介する中国用VPNのなかで最大級のサーバーネットワークを誇り、中国用の仮想サーバーもあります。仮想サーバーは中国国内に物理的に存在しませんので、現地のデータ法はPIA社に適用されません。これにより、たとえ中国政府に要求されてもPIAはデータを提供する義務がありませんので、Youku、Bilibili、Alipayなどの中国サイトに安心してアクセスできます。

PIAでは、中国で無制限のデバイスに同時接続が可能ですので、デバイスを複数お持ちの場合や、家族旅行で全員がインターネットに自由にアクセスできるようにしたい場合に最適です。ノートパソコン6台とスマホ10台に同時接続してみましたが、PIAの接続は安定しており、通信が途中で途切れたりすることはありませんでした。
万が一中国で利用できない場合は、公式サイトの24時間年中無休のカスタマーサポートがありますから、接続改善の対処法をいくつか案内してくれるはずです。なお、接続トラブルの際は、まずはプロトコルをWireGuardとOpenVPNとで切り替えてみましょう。それでもうまくいかない場合、PIAのマルチホップ設定(SOCKS5プロキシまたはShadowsocks)をお試しください。なお、マルチホップでは通信速度が遅くなる可能性があります。最後の手段として手動設定ファイルを試すこともできます。詳しい設定はPIAのホームページをご覧ください。
PIAは、30日間返金保証付きなので金銭的リスクなく体験できますし、返金手続きも簡単です。
便利な機能
- 暗号化を変更できる。PIAでOpenVPNプロトコルを使う場合、2つの暗号化レベルから選べます。安全性が最も高いのはAES 256-bitで、筆者はオンラインバンキングを利用する際にこの暗号化レベルを選んでいますが、ストリーミングを行う際はより高速なAES 128-bitに切り替えるようにしています。しかし、通信速度を優先するのであれば、軽量なWireGuardプロトコルがおすすめです。検証ではこのプロトコルを使ったときに通信速度が最速になりました。
- 接続の自動化。公共のWiFiネットワークを利用する際など、特定の条件下でVPNに自動接続するように設定できます。これは世界中どこに滞在中でも便利な機能ですが、特に中国などでは重宝するでしょう。
- 世界中に膨大な数のサーバー
- カスタマイズできるセキュリティ設定が多い
- 無制限のデバイスを同時接続できる
- 初心者にとっては難易度が高め
- 本拠地はアメリカ
【比較表】中国対応VPNの主な特徴
以下の表では、中国で使えるおすすめVPNの主な特徴を表にまとめました。各VPNが中国用に最適化されたサーバーを提供しているかどうか、データのプライバシーを保護する監査済みノーログポリシーがあるかどうかなど、重要な項目を挙げています。
また、各VPNのサーバー台数、中国のIPアドレスを取得できるかどうか、中国のどの支払い方法に対応しているか、暗号通貨で支払えるかどうか(個人情報をできるだけ明かさないようにしたい場合に役立ちます)など、便利な追加情報もチェックしましょう。
中国で使えるVPNの選定方法
中国で使えるVPNを厳選するにあたって、制限の厳しいネットワーク環境で利用できるかを中心に評価しました。また、様々なオンラインアクティビティで通信速度が速く、パフォーマンスが安定していることも重視しています。サーバーネットワークの規模も確認して、中国の近くの国にサーバーがあると接続が安定しやすいためその点も考慮しました。その他、現地でVPNをダウンロードでき、カスタマーサポートが迅速に対応してくれることも評価ポイントとしています。
上記を踏まえて、強力な難読化と、制限された環境向けに最適化されたサーバーを提供しているVPNを検討しましょう。強力なセキュリティとプライバシー機能も同じくらい重要です。これには、軍レベルの256-bit暗号化、キルスイッチ、漏えい対策や、個人情報・検索履歴・オンラインアクティビティのプライバシーを約束する監査済みノーログポリシーなどの有無が含まれます。また、ミラーサイトがあり、中国国内から迅速にサポートを受けられると、「サイトにアクセスできない!」というトラブルが発生しても安心です。
今回の検証の詳細については、VPNの検証方法のページをご覧ください。当サイトでは、国際チームがVPNのパフォーマンスデータを頻繁に更新し、信頼できるおすすめ情報をお届けしています。ご自身でVPNを検証したい場合は、上記のポイントを検討すると良いでしょう。
中国でVPNは合法か?
中国におけるVPNの法的な位置づけは、地域や状況によって異なる複雑なグレーゾーンにあります。政府公認のVPNのみが公式に許可されていますが、実際の執行はより微妙です。広範な調査によると、中国で個人的にVPNを利用した旅行者が法的処罰を受けたという事例はないようです。
中国市民であっても、個人的な目的でVPNを利用することで直接的に法的な影響を受けることはほとんどありません。政府当局は、個人ユーザーを罰することにフォーカスしているわけではなく、VPNをブロックすることでVPNへのアクセスを困難にする技術的な措置を優先しています。
しかし、主に営利目的のVPN事業者を対象とした、注目すべき取締り事例はいくつかあります。CNNによると、2017年10月、上海の裁判所は、VPNソフトを開発・販売したとして、戴(ダイ)氏という開発者に執行猶予付きの懲役3年、罰金1万元の判決を下しました1。
なお、VPNの使い方によっても対応が違うようです。例えば、中国で迫害を受ける少数民族のウイグル人学生が、VPNを使用して「違法な情報」を入手したとして13年の懲役刑を言い渡されたケースがあります(2023年、ラジオ・フリー・アジア報道)2。また、VPNを使用して海外の企業で長年働いたとして、収入を没収され罰金を科せられた中国人市民がいます3(2023年、Guardian報道)。
法的な処罰ではなく、技術的な制限によって積極的に対策する地方もあります。例えば、VPNアプリがユーザーのデバイスから削除されるまで、地方当局が携帯電話サービスを一時的に停止したという報告があります。
このような場合、通常、警察署を訪れ、VPNアプリを削除し、デバイスをチェックしなければ、サービスは回復しません。さらに、中国のソーシャルメディアプラットフォーム上で無許可のVPNを宣伝したり推奨したりすると、当局の目を引いてしまう可能性があります。詳細については、中国におけるVPN利用の法的状況に関する詳細なガイドをご覧ください。
中国で使えるVPNを設定する方法(渡航前の準備)
中国の「グレートファイアウォール」は、政府による情報流通の厳しい管理の一環であり、ほとんどのVPNサイトをブロックしています。しかし、VPNは中国で幅広く普及しており、近年の検閲の強化に伴い、使用率が倍増しています4。本土到着時からネット上のアクティビティを保護できるよう、中国へ渡航する前に、デバイスにVPNを設定しておきましょう。
- 中国で使う予定の全デバイスに、(渡航前に)VPNアプリをダウンロード・インストールして、ログインします。
- ログイン情報、アプリのアクティベーションコード、ミラーサイトURL、カスタマーサポートの連絡先など、重要な情報をオフラインに保存しておきましょう。
- 中国で100%使えると保証するVPNはありませんので、バックアップとして、別のVPNのインストールも検討しましょう。バックアップを合せてVPNが2〜3つあると安心でしょう。ほとんどの大手VPNには返金保証が付いているため、金銭的なリスクはありません。
- 公共Wi-FiやホテルのWi-Fi利用時の情報漏洩を防ぐため、自動接続設定やキルスイッチのオプションを有効にしておきましょう。
なお、中国に到着後でも、VPNを取得する方法はあります。但し、政府承認のVPNはおすすめしません(いずれにせよ、大半のVPNは公に公開されていません)。一部のVPNサービスは、VPNが制限されている国・地域でもアプリをダウンロードできる方法があります。
以下に手順を説明します。
- モバイルホットスポットまたはモバイルデータを使用してください。大手ISP(ユニコーンやチャイナテレコムなど)のWi-Fiよりも制限が少ない傾向があります。
- (既にVPNがある場合)VPNに接続してください。これは、既にVPNを持っているがバックアップとしてもう一つVPNを入手したい場合のステップとなります。
- 利用したいVPN(ExpressVPN、Astrillなど)のサポート窓口にメールで問い合わせて、中国からアクセス可能な最新のダウンロードリンク(ミラーサイト)を取得してください。
- VPNのミラーサイトにアクセスし、VPNのダウンロード、登録、決済、を通常通り行います。
- VPNによっては、ミラーサイトがない場合、サポート窓口からOpenVPN・WireGuardの構成ファイルがメール送付されることもあります。この場合、手動でVPNを設定する必要があります。
中国対応VPNについてよくある質問
V1VPN、Raptor VPN、iKuuu VPNなど中国製のVPNサービスの安全性は?
基本的なセキュリティ対策としては良いかもしれませんが、個人的にはお勧めできません。これらの中国製のVPNは中国の規制に従わなければならないため、ユーザーのデータを当局と共有している可能性があります。万全なセキュリティを確保するには、信頼できる国際的なVPNサービスを利用することをおすすめします。ユーザーデータの保護においてきちんとした実績があるものを選びましょう。
さらに、LetsVPN、V1VPN、Raptor VPN、iKuuu VPNなどのサービスは、データ取り扱い方針やセキュリティ対策について透明性がない項目が多いです。一方で、中国以外に本社を置く国際的なVPNサービスは、プライバシー保護や明確なノーログポリシーを採用できる自由度があるので安心です。
中国でVPNを利用する場合、どのくらいの速度が期待できるか?
このランキングで2位のVPNは、高度な難読化技術と速度を最適化できるプロトコルを採用しているため、中国のように制限が厳しいネットワークでも一貫して高速通信を維持できます。
中国に対応しているVPNは追加の処理が発生するため、通常より速度が遅くなる傾向があります。通信を(難読化技術で)隠蔽して検出を回避し、その後グレートファイアウォールのディープパケットインスペクションを通過します。さらに、ファイアウォールはVPN接続を細かく識別・ブロックし、通信は追加のセキュリティチェックを通過する必要があります。
Redditやその他のフォーラムで、ほとんどのVPNは50〜70%の速度低下が発生するという声が寄せられています。しかし、速度を改善する方法は存在します。それは、ヨーロッパやアメリカなどの遠隔地ではなく、香港、日本、シンガポールなど中国近隣のサーバーに接続することです。Redditでは、複数のプロトコルを試して一番高速のプロトコルを使うとよいというアドバイスもありました。
中国でブロックされているサイトやアプリは?
中国国内でアクセス可能な情報をコントロールするため、中国では多くの国際的なサイトやアプリがブロックされています。中国でブロックされているサイトには、Facebook、Google、WhatsApp、Netflix、LinkedIn、ブルームバーグなどがあります。
このような厳しい制限を行い、政府の規制に合ったネットコンテンツだけをアクセス可能にすることで、中国政府は外国からの影響を抑えたり、中国のサービスを促進しています。中国では、WeChat、Baidu、Weiboなど、ブロックされている国際的サイトに似た中国のサービスが幅広く浸透しています。これらの中国国内サービスを利用する際は、オンラインデータを守るため、中国またはその周辺のIPアドレスを取得できるVPNを利用しましょう。
中国ではどのVPNサーバーを使うべきか?
通信速度を最速化するためには、現在地から最寄りにあるサーバーを使うのがベストです。中国本土の近隣にサーバーがあるVPNを選びましょう。(この記事で紹介しているものも含め)ほとんどのVPNサービスは、中国政府によってサーバーが閉鎖されたり、ユーザーデータの提出を要請される関係上、中国本土にはサーバーを設置していません。
ただし、香港、韓国、台湾など近隣国にサーバーがあれば、高速通信を維持できます。この記事でご紹介した各VPNは、中国本土またはその近郊にサーバーを設置しています。これにより速度低下を最小限に抑えられるのでお勧めです。
中国のIPサーバーを提供するVPNはありますか?
はい、PIAは中国IPアドレスを取得できる数少ないVPNです。中国の規則でデータのモニタリングが義務付けられている可能性があるため、中国国内に物理サーバーがあるとプライバシーリスクを招く恐れがあります。しかし、中国国外に位置する仮想サーバーを提供しているVPNなら中国のIPアドレスを確実・安全に取得できます。
注:中国本土の物理サーバーは、現地の法律や監視規制の対象となります。よって、ほとんどの中国国外のVPNサービスは、プライバシー保護とサービスの独立性を維持するため、中国国内には物理サーバーを置いていません。
中国でVPNを利用する代わりになるものは?
海外eSIMサービスを使えば、中国国内でデータ制限なくネットを利用できます。eSIMのモバイルデータサービスは、他の国のサーバー経由であなたの通信をルーティングします。ただし、軍事レベル暗号化技術やIPマスキング機能を搭載する高性能なVPNとは異なり、第三者の監視やその他のオンライン脅威からネット通信を保護することはできません。
一部の旅行者はプロキシサービスやTorブラウザを代替手段として使っていますが、これらは利用方法が複雑で、モバイルアプリで動作が不安定になる可能性もあります。また、VPNのようなデータ保護機能も付いていません。
中国で使えないVPNはありますか?
中国はネット制限が厳しいので、多くの大手の人気VPNサービスでさえも使えないことがあります。他の国やサイトでは問題なく使える有名なVPNであっても、このような動作不良は起こりえます。この記事でご紹介したVPNは、中国での接続がより安定しており、信頼性が高いことが確認できています。これらには、難読化技術や接続の安定性を向上させるその他高度な機能が備わっています。
以下は、一時的に接続できることはあっても、ダウンタイムが多すぎて信頼性に欠けるVPNサービスです。
- NordVPN。頻繁に中国の制約を受け、安定した接続を維持できません。
- Surfshark。他の国では機能性や通信の安定性に問題はありませんが、中国では頻繁にブロックされており、信頼性が低いです。
- CyberGhost。中国国内ではほとんど機能せず、ほとんどのユーザーがダウンタイムや接続失敗を報告しています。
- IPVanish。大半の場合、グレートファイアウォールによってブロックされてしまうため、中国での利用はお勧めできません。
- Proton VPN。中国でのパフォーマンス向上に向けた対策が進められていますが、現時点では接続が不安定な状態が続いています。
中国で無料VPNは利用できますか?
中国で一貫して機能する無料のVPNを見つけるのは難しいかもしれません。まれに動作する無料サービスがあるかもしれませんが、データ使用量の制限、過度な速度遅延、接続不良などが発生するでしょうから、日常的な利用には不向きでしょう。中国で利用したい場合、中国に対応しているプレミアムVPNがおすすめです。
また、無料のVPNサービスはプライバシー上の懸念もあります。無料VPNの中には、ユーザーのデータ収集や販売、広告などで収益を上げているものもあります。また、セキュリティ機能がきちんと作動しないこともあり、中国の監視ネットワークに対して脆弱である可能性があります。
中国でVPNが作動しなくなった場合の対処法は?
別のサーバーに接続するか、プロトコルや設定を変更してみてください。大手のプレミアムサービスでも、中国では時折接続トラブルが発生する可能性があります。そのため、バックアップのVPNを確保したり、カスタマーサポートが充実したVPNを選ぶことをお勧めします。
なお、今すぐサポートに問い合わせができない場合は、以下の手順を試してみてください。
- サーバーを切り替える。別のサーバーに切り替えてみてください。できれば中国に近いサーバーがおすすめです。サーバーによっては、制限付きのネットワークでの接続が安定することがあります。
- プロトコルを変更する。利用できるVPNプロトコルが複数ある場合(例えば、Lightway、OpenVPN、WireGuard、IKEv2など)は、プロトコルを切り替えてみてください。一部のプロトコルは他のプロトコルよりも検出されにくい場合があります。
- 難読化機能を有効にする。多くのVPNには、VPN通信を通常のネット通信として偽装できる難読化機能または「ステルス」モードが搭載されています。これらを有効にすることで、ブロックされにくくなります。
- キャッシュをクリアして再起動する。デバイスのキャッシュをクリアし、再起動してください。古いデータがVPN接続を妨げている場合があります。
- モバイルデータを使う。可能であれば、公共Wi-Fiや国内Wi-Fiではなくモバイルデータを使用してください。Wi-Fiネットワークには追加の制限が設定されている場合があります。
- VPNアプリをアップデートする。VPNアプリが最新のバージョンであることを確認してください。アップデートには、検閲国での接続トラブルの修正が含まれている場合があります。
- 手動設定を試す。VPNサービスが手動設定のオプションを提供している場合、手動設定ファイルを使用すると、中国国内での接続がより安定する可能性があります。
上記のいずれを試しても上手くいかない場合は、VPNのサポート窓口に問い合わせましょう。中国特有の対処法を提示してもらえる可能性があります。
中国でおすすめのVPNをゲットしよう
VPN対策が強化されている中国で安定して繋がるVPNを見つけるのは困難です。グレートファイアウォール(GFW)が許可しているのは政府公認のVPNのみであり、そのようなVPNは政府によって厳しく監視されています。また、中国政府はグレートファイアウォールの技術を強化し続けていますから、信頼性の高いVPNさえ100%確実に使えるとは限りません。
とは言え、一部のサービスは中国でも安定して利用できることが確認されています。この記事で紹介したVPNは制限されたネットワークでも使えるように設計されています。通信の安全とプライバシーを保ちつつ、どこからでもHD・4Kコンテンツにアクセスできるようになります。なかでも、Astrill VPNは高度な検出対策技術を搭載しており、接続が安定しています。
参考文献
- https://edition.cnn.com/2018/10/10/asia/china-vpn-censorship-intl/index.html/
- https://www.rfa.org/english/news/uyghur/student-sentenced-06082023154805.html/
- https://www.theguardian.com/world/2023/oct/09/chinese-programmer-ordered-to-pay-1m-yuan-for-using-virtual-private-network/
- https://www.voanews.com/a/china-s-vpn-usage-nearly-doubles-amid-internet-censorship/7488465.html/


あなたのオンラインアクティビティは訪問先のサイトに公開されることがあります
あなたのIPアドレス:
216.73.216.169
あなたの現在地:
US, Ohio, Columbus
インターネットプロバイダ:
これらの情報は、広告、アナリティクス、好みの把握などのために使用される可能性があります。
IPアドレスからあなたの位置情報、個人情報、閲覧習慣などを調べることができるため、訪問先のWebサイトからデータを守るにはIPアドレスを隠すのが非常に効果的です。仮想プライベートネットワーク(VPN)を使うと、安全なサーバーを経由してインターネット通信を行うことで実際のIPアドレスが隠され、他の場所からネットを閲覧しているように見せかけることができます。また、VPNは通信を暗号化することで、監視や不正アクセスからデータの安全を確保します。
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